道教委・伊藤学校教育局長が講話 教員が学び続ける職場を 宗谷管内教委連が研修会( 2024-10-30付)
伊藤伸一学校教育局長
【稚内発】宗谷管内教育委員会連絡協議会(小川俊輝会長)は24日、稚内総合文化センターで管内市町村教委研修会を開催した。管内市町村教委から約30人が参加。道教委学校教育局の伊藤伸一局長による講話などを通して、これからの社会に適応した学校・教職員の成長を支援する教育委員会の関わりについて理解を深めた。
研修は、管内市町村における教育行政推進上の現状と課題を明確にし、主体的な運営と推進体制の情報共有を図り、管内教育の充実に向けた連携・協力体制を構築することが目的。
開会に当たり、小川会長は「管内では少子化による複式学級の増加や統廃合が進んでいるのが現状。研修の内容が子どもの健やかな成長につながる教育の推進に寄与するものにしてほしい」と述べた。
引き続き、宗谷教育局の笠井浩局長があいさつ。「子どもたちや教育を取り巻く環境は日々変化している。研修を通して、地域の教育力向上を」と期待を寄せた。
講演では、伊藤局長が「これからの時代に求められる学校づくり~教育委員会のリーダーシップ」と題して、予想される今後の国の教育動向や質の高い教職員集団の形成などについて解説した。
冒頭、文部科学省が9月に公表した「今後の教育課程、学習指導及び学習評価等の在り方に関する有識者検討会論点整理」を引用。ICTを活用した教育の充実や多様な子どもに対応した個別最適な学びの必要性をあらためて示した。
教育委員会と学校の関わりについては「教育委員会は、学校を通して学力向上や魅力ある職場づくりなどの取組を進める必要がある」と述べ①心理的安全②事実を伝える③腹落ち④振り返り支援⑤期待ーの五つを繰り返すマネジメントの必要性を強調。教育課程の編成など、年度当初の計画にとらわれずに子どもや学校の実態を考慮したPDCAサイクルの推進を促すよう呼びかけた。
その上で、これからの学校を魅力的な職場にしていくためには“教職員が学び続ける職場”を整備する必要性を挙げた。「聞きやすい・相談しやすい・助けを求めやすい・意見を出しやすいという心理的安全を確保することで、早期でのミスの報告やフォローアップにもつながり組織力の向上にもつながる」と述べ、教職員自身が成長を実感しやすい環境整備を求めた。
講話終了後、稚内市教委の佐伯達也教育長、中頓別町教委の大島朗教育長、幌延町教委の青木順一教育長が各教委で進めている義務教育学校の開校に向けた進捗状況などを説明した。
( 2024-10-30付)