文部科学省の29年度概算要求主要事項① 「次世代の学校」創生へ 教職員の配置等充実( 2016-10-05付)
文部科学省の二十九年度概算要求主要事項について連載する(金額は要求・要望額、単位・百万円。カッコ内%は前年度予算比)。
★学力と人間力を備えた人材を育成するための教育再生の実現
【社会を生き抜く力の養成】
◆「次世代の学校・地域」創生プランの推進
◇「次世代の学校」創生のための指導体制強化等=一、五二六、三一八(九九・五%)
「社会に開かれた教育課程」を実現し、複雑・困難化する教育課題に対応する「次世代の学校」の創生に必要不可欠な教職員の配置充実や資質・能力の向上を図る。
▼「次世代の学校」指導体制実現構想(義務教育費国庫負担金)=一、五一八、四七二
義務教育費国庫負担制度は、公立の義務教育諸学校の教職員の給与費について都道府県が負担した経費の三分の一を国が負担。
①教職員定数の改善増六五億円(三、〇六〇人)
②教職員定数の自然減六七億円(三、一〇〇人減)
③メリハリある給与体系の推進三億円
④教職員の若返り等による給与減八七億円
▽予算の裏付けのある教職員定数の中期見通しを策定(二十九~三十八年度までの十ヵ年計画)
▽「社会に開かれた教育課程」を実現し、複雑・困難化する教育課題に対応する「次世代の学校」の創生に必要不可欠な教職員の配置充実を図る
▽「一億総活躍社会」の実現に向けて、「通級による指導」や外国人児童生徒等に対する特別な指導に必要な教員について、対象児童生徒数に応じた基礎定数による措置へ転換し、指導体制を安定的に確保する(義務標準法の改正)
《教職員定数の改善》
▽学習指導要領改訂による「社会に開かれた教育課程」の実現=五八〇人
①小学校専科指導(外国語・理科・体育など)の充実=三三〇人
②主体的・対話的で深い学びの充実(「アクティブ・ラーニング」の視点からの授業改善)=二五〇人
▽多様な子どもたち一人ひとりの状況に応じた教育=二、〇三〇人
①発達障害等の児童生徒への「通級による指導」の充実=八九〇人
②外国人児童生徒等教育の充実=一九〇人
③貧困などに起因する学力課題の解消=四〇〇人
④いじめ・不登校等の未然防止・早期対応などの強化=四〇〇人
⑤統合校・小規模校への支援=一五〇人
▽「次世代の学校・地域」創生プランの推進=四五〇人
①教員の質の向上に向けた指導教諭の配置促進=五〇人
②「チーム学校」の実現に向けた次世代の学校指導体制の基盤整備=三〇〇人
(学校事務職員、養護教諭、栄養教諭等)
③提案型「先導的実践加配制度」の創設=一〇〇人
(全国的な教育課題の解決に寄与する先導的な教育政策の実証研究を促進)
《教員給与の改善》
▽部活動指導業務手当の改善(三、〇〇〇円→三、六〇〇円)
メリハリある給与体系の推進や部活動指導に対する教員の負担の実態を考慮し、休養日の設定など部活動の適正化に向けた取組を進めつつ、土日の部活動指導業務にかかる手当てを引き上げ。
※参考・復興特別会計
▼被災した児童生徒のための学習支援=二、一四三―一、〇〇〇人の加配措置
▼多彩な人材の参画による学校の教育力向上(補習等のための指導員等派遣事業)=五、三七一(補助率1/3)
退職教職員や教員志望の大学生など多彩な人材をサポートスタッフとして学校に配置(一三、〇〇〇人)。
①補充学習、発展的な学習への対応
②小学校における英語指導対応
③教材開発・作成などの補助
④臨時教員など経験の浅い教員に対する指導助言
⑤体験活動の実施・計画時における指導助言
⑥中学校における部活動指導支援
⑦高校における進路選択への支援、キャリア教育支援
⑧教員の授業準備や配布物など準備作業、連絡調整などの業務の補助等
▼これからの学校教育を担う教員の資質・能力の向上=二、〇一四
新しい教育課題に対応した教員研修の充実と大学における教員養成の改革
▽教員の養成・採用・研修の一体的改革推進事業(新規)=一四七
・教職課程コアカリキュラムの策定
・教員の資質能力向上事業
=教師塾の普及・推進、初任者研修の効果的な事例の普及・推進、研修の一体的改革推進、大学と連携した研修の単位化推進
・民間教育事業者との連携による教員の資質・能力向上事業
・教員養成改革推進事業=新たな教育課題の必修化への対応、教職課程における質保証の取組、教員の学びの継続による専修免許状取得プログラムの開発、教科教育モデルコアカリキュラムの策定
▽独立行政法人教員研修センターの機能強化
・独立行政法人教員研修センター運営費交付金=一、三六三
①教職員の養成・採用・研修の中核拠点創設に向けた専任教員体制の整備
②教職員養成・採用・研修の改善に資する研究開発プロジェクトの実施
③地方創生のためのネットワーク構築に資する研修プログラムの提供、オンライン関係設備機器の更新等
・独立行政法人教員研修センター施設整備費補助金=二二五
▽教員・学習に関する国際調査等=五一
OECDが実施する国際教員指導環境調査(TALIS)の第三回調査(三十年度調査予定)に参加し、学校運営の改善や教員の質の向上等の政策立案に資するデータを収集。
▽現職教員の新たな免許取得や更新等=二二八
・現職教員の新たな免許状取得を促進する講習等開発事業
・大学における教員の現職教育への支援
・教員資格認定試験
▼学校現場における業務改善加速事業=四六〇
教員の担うべき業務に専念できる環境を確保し、長時間労働という働き方を改善することで、子どもと向き合う時間を確保するため、国・教育委員会(都道府県・市町村)・学校が有機的に連携し、一体的・総合的に業務改善を推進する取組を実施する。
▽業務改善加速のための実践研究
業務改善に集中的に取り組むモデル自治体において、各学校における勤務時間管理の徹底をはじめ、教員の業務の見直し、意識改革のための研修など、業務改善の取組を強力に推進。
▽業務改善アドバイザーの派遣
▽長時間労働是正のためのキャンペーンの実施等
◇地域と学校の連携・協働に向けた改革=八、二四七(一二〇・七%)
学校を核とした地域力強化の仕組みづくりを推進するとともに、地域の活性化につながる多様な取組を展開することによって、まち全体で地域の将来を担う子どもたちを育成するとともに一億総活躍社会および地方創生の実現を図る。
▼学校を核とした地域力強化プラン=八、二四七(補助率1/3)
学校を核とした地域力強化のための仕組みづくりや地域の活性化に直結する様々な施策などを地域の特色に応じて組み合わせて推進する。
▽コミュニティ・スクール導入等促進事業=二三〇
地域住民などが学校運営に参画するコミュニティ・スクール(CS)について、未導入地域への支援や導入地域における取組充実への支援などによって、一層の拡大・充実を図ることで、将来の地域を担う人材の育成、学校を核とした地域づくりを推進する。
・未導入地域への支援=四〇〇ヵ所
・導入地域における取組充実への支援=二九〇ヵ所(CSディレクターの配置一五〇市区町村)
・学校運営協議会委員・教職員等の研修への支援=一二〇ヵ所
▽地域学校協働活動推進事業=七、五四一
地域と学校をつなぐコーディネーターが中心となり、地域と学校の連携・協働のもと、幅広い地域住民などが参画し、地域全体で未来を担う子どもたちの成長を支え、地域を創生する「地域学校協働活動」を全国的に推進する。
・地域コーディネーターの配置=二〇、〇〇〇人(統括コーディネーターの配置五〇〇市町村)
・地域学校協働活動の振興
①地域学校協働活動=五、〇〇〇ヵ所
②放課後子供教室=一七、七五〇ヵ所
③地域未来塾による学習支援=四、一〇〇ヵ所
④外部人材を活用した土曜日の教育活動支援活動=一五、〇〇〇ヵ所
▽地域における家庭教育支援総合推進事業=一六三
地域人材の養成を通じて家庭教育支援チームの組織化、家庭教育支援員の配置などを行い、身近な地域における保護者への学習機会の提供や相談対応などの支援活動を実施することで、家庭教育支援を総合的に推進。
・家庭教育支援の実施=一、八〇〇ヵ所
▽地域と連携した学校教育活動
・健全育成のための体験活動推進事業=九九
①小、中学校、高校などにおける取組=三二二校
②学校教育における農山漁村体験活動の導入のための取組=一三四地域
③適応指導教室等における体験活動の取組=一三四地域
・地域を担う人材育成のためのキャリアプランニング推進事業=二六―四七人
「キャリアプランニングスーパーバイザー」を配置し、地元への愛着を深めるキャリア教育の推進などを通じ、地元に就職し地域を担う人材を育成する。
また、高校中途退学者などへの就労等支援についても、地域若者サポートステーションなど関係機関と連携した取組を実施する。
・地域提案型の学校を核とした地域魅力化事業=一一―一二市区町村
学校を核とした地域の魅力を創造する取組として、地域が提案する創意工夫ある独自で多様な取組を支援することによって、地域の活性化を図る。
・地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業=八八―一、五九〇ヵ所
「スクールガード(学校安全ボランティア)」の活用等によって、地域ぐるみで子どもの安全を見守る体制を整備する。
・地域と連携した学校保健推進事業=一〇―六六ヵ所
養護教諭の未配置校に対し、経験豊富な退職養護教諭をスクールヘルスリーダーとして派遣し、学校、家庭、地域の関係機関などの連携による効果的な学校保健活動の展開を図る。
◆特別支援教育の充実=一六、二二八(一〇四・四%)
インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進について、障がいのある児童生徒などの自立と社会参加の加速化に向けた取組の充実を図り、障がいのある児童生徒などが十分な教育を受けられる環境を構築する。
▼インクルーシブ教育システム推進事業=一、八〇一(補助率1/3)
障害者権利条約の批准、改正障害者基本法の趣旨、二十八年四月からの障害者差別解消法の施行、発達障害者支援法の改正などを踏まえ、自治体のインクルーシブ教育システムの推進に向けた取組に対して経費の一部を補助する。
▽特別な支援を必要とする子どもへの就学前から学齢期、社会参加までの切れ目ない支援体制整備(新規)=三〇地域
特別な支援を必要とする子どもについて、就学前から卒業後にわたる切れ目ない支援体制の整備を促すため教育部局と福祉・保健・医療・労働などの部局が連携し一貫した支援体制を構築する地域を支援する。
▽特別支援教育専門家等配置=医療的ケアのための看護師一、二〇〇人
▼発達障害の可能性のある児童生徒等に対する支援事業
▽特別支援教育の視点を踏まえた学校経営構築研究開発事業等(新規)=一五二―二七ヵ所
小・中・高校などにおける発達障害の可能性のある児童生徒等に対する特別支援教育の体制充実のための組織強化を図るため、学校経営に必要なノウハウおよび効果的な運営の在り方などについて、大学教授などの専門家を活用し調査研究を行う。
▼特別支援教育に関する教職員等の資質向上事業=二七四
特別支援教育を担当する教員の専門性の向上を図るため、特別支援学校教員などに対する専門的な研修の実施や特別支援学校教諭免許状等取得に資する取組を実施する。
・特別支援教育に関する教員等の養成講習および資質向上研修等の実施=二四ヵ所
・特別支援教育にかかる教員のインターネットによる資質・能力向上推進支援事業(新規)
▼学習指導要領等の改訂および学習・指導方法の改善・充実=一五四
学習指導要領の改訂や解説書の作成、周知・徹底などを着実に実施するとともに、改訂の方向性を踏まえた特別支援学校における学習・指導方法の改善・充実を図るための実践研究などを行う。
▼学校における交流および共同学習を通じた障害者理解(心のバリアフリー)の推進事業=九二―二八地域
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、障がいのある子どもと障がいのない子どもが一緒に障害者スポーツを行う、一緒に障害者アスリート等の体験談を聞くなどの交流および共同学習を実施する。
▼特別支援教育就学奨励費負担等=一二、九〇九(補助率1/2)
特別支援学校および特別支援学級などへの就学の特殊事情を踏まえ、これらの学校に就学する障がいのある児童生徒などの保護者の経済的負担を軽減するため、「特別支援学校への就学奨励に関する法律」などに基づき、通学費、学用品費などの就学に必要な経費を援助する。
▼教科書デジタルデータを活用した拡大教科書、音声教材等普及促進プロジェクト=二五七
発達障害や視覚障害などのある児童生徒が十分な教育を受けられる環境を整備するため、教科書デジタルデータを活用した音声教材などに関する効率的な製作方法や高校などにおける拡大教科書の普及促進などについての実践的な調査研究等を実施する。
◆いじめ・不登校対応等の推進=七、七一三(一三四・九%)
「ニッポン一億総活躍プラン」、教育再生実行会議(第一次、第五次、第九次提言)、「いじめ防止対策推進法」および「いじめの防止等のための基本的な方針」を踏まえ、いじめの未然防止、早期発見・早期対応、不登校への対応、また、貧困や虐待を背景とした生徒指導上の課題への対応などのため、従来の「いじめ対策等総合推進事業」を拡充し、地方公共団体などにおけるいじめ問題への対応、教育相談体制の整備や教育委員会・学校、関係機関などの連携による不登校児童生徒へのきめ細かな支援体制を整備するとともに、夜間中学の設置促進などを図る。
▼いじめ対策・不登校支援等総合推進事業=七、六七三
▽外部専門家を活用した教育相談体制の整備・関係機関との連携強化等=七、〇〇七
《学校等支援》
・スクールカウンセラーの配置拡充(補助率1/3)
①全公立中学校に対するスクールカウンセラーの配置に加え、生徒指導上、大きな課題を抱える公立中学校等においてスクールカウンセラーによる週五日相談体制を実施し、常時生徒が相談でき、教職員との連携が強化できる体制を構築=二〇〇校
②公立小学校の通常配置に加え、小中連携型配置の拡充による公立小・中学校の相談体制の連携促進=四、六〇〇校
③貧困対策のための重点加配=一、八〇〇校
④虐待対策のための重点加配(新規)=四〇〇校
⑤教育支援センター(適応指導教室)の機能強化等、不登校支援のための配置=一、一四七ヵ所
⑥連絡協議会の開催等を通じた質向上の取組の支援
・スクールソーシャルワーカーの配置拡充(補助率1/3)
①スクールソーシャルワーカー配置=五、〇四七人(小・中学校五、〇〇〇人、高校四七人)
福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーを必要なすべての学校で活用できるよう今後段階的に配置を拡充。
②貧困対策のための重点加配=一、八〇〇人
③虐待対策のための重点加配(新規)=四〇〇校
④スーパーバイザーの配置=四七人―連絡協議会の開催・研修を通じた質向上の取組の支援
・二十四時間子どもSOSダイヤル
いじめなどを含む子どものSOSを受け止めるためのフリーダイヤルの実施。
《自治体支援》
・幅広い外部専門家を活用していじめ問題などの解決に向けて調整、支援する取組の促進等
①第三者的立場から調整・解決する取組=一三四地域②外部専門家を活用して学校を支援する取組=一三四地域
③インターネットを通じたいじめ問題等に対応するための学校ネットパトロール等への支援(補助率1/3)=一〇地域
④重大事態等発生時の指導助言体制の強化=現状調査や現地支援を行うための職員を派遣
▽いじめ対策・不登校支援等推進事業=六二一
①自殺予防、貧困などに対する効果的な取組に関する調査研究
②脳科学・精神医学・心理学などに関する研究と学校教育の連携による調査研究
③いじめ防止等対策のためのスクールロイヤー活用に関する調査研究(新規)
④スクールカウンセラーおよびスクールソーシャルワーカーの常勤化に向けたモデル事業(新規)
⑤不登校児童生徒へのきめ細かな支援体制の整備に向けた実践研究(新規)
⑥不登校児童生徒を受け入れている民間団体などの自主的な取組の促進に関する調査研究(新規)等
▼中学校夜間学級の設置促進等推進事業=四〇
一億総活躍社会の構築に向けて、夜間中学の新設や既存の夜間中学における教育機会の提供拡充に向けた調査研究などを行う。
※参考・復興特別会計
▼緊急スクールカウンセラー等活用事業=二、七〇一
被災した幼児児童生徒・教職員などの心のケアや、教職員・保護者などへの助言・援助、学校教育活動の復興支援、福祉関係機関との連携調整など様々な課題に対応するため、スクールカウンセラーなどを活用する経費を全額国庫補助で支援。
◆子どもの体験活動の推進=三〇四(一〇六・三%)
農山漁村などにおける様々な体験活動を通じ、児童生徒の豊かな人間性や社会性を育み、自己有用感を高め、将来のキャリアへの意欲を喚起する。
「子ども農山漁村交流プロジェクト」として総務省、文部科学省、農林水産省が連携して事業を実施する。また、社会との関係の中で自己実現を図れるよう、青少年における自然体験などの多様な体験活動を推進する。
▼学校における長期宿泊体験活動の導入促進に関する調査研究=三
長期宿泊体験活動の導入促進のため、民間シンクタンクなどを活用して、学校の参考となるモデルカリキュラムを開発する。
▼青少年の体験活動の推進=二〇三
▽体験活動推進プロジェクト等の充実
▽青少年の国際交流の推進
◆道徳教育の充実=二、七八二(一九〇・五%)
二十七年三月に、道徳教育にかかる学習指導要領などの一部改正を行い、これまでの道徳の時間を教育課程上、「特別の教科 道徳」(以下「道徳科」という)と新たに位置付けるとともに、いじめの問題への対応の充実や発達の段階をより一層踏まえた体系的なものとする観点からの内容の改善、問題解決的な学習を取り入れるなどの指導方法の工夫を図ることなどを示した。
改正は、道徳教育について「考える道徳」「議論する道徳」へと質的に転換を図るものであり、これらを踏まえた道徳の指導が着実に実施されるよう、道徳教育用教材『私たちの道徳』を引き続き配布するとともに、改正学習指導要領の趣旨を生かした効果的な指導を行うため研究協議会の開催などを通じた教員の指導力向上を図る。
さらに、「親子道徳の日」といった学校・家庭・地域の連携による道徳教育の取組を支援する。
▼道徳教育の抜本的改善・充実等=二、七八二
▽『私たちの道徳』の配布
『私たちの道徳』を全国の中学生に配布する。
▽アーカイブの整備
道徳科の趣旨やねらいを踏まえた効果的な指導方法や評価方法について、現在、各学校などで取り組まれている好事例や優れた教材を収集・集約・発信するための機能を有した「アーカイブセンター」の整備を図る。
▽保護者向けパンフレットの作成
学習指導要領改訂の趣旨や目的を家庭・地域と共有し、家庭・地域と連携した道徳科の授業の充実を図るとともに、道徳的な問題に保護者も子どももともに考える土壌を形成する。
▽道徳教育の抜本的改善・充実にかかる支援等
改訂学習指導要領を踏まえた効果的な指導方法などにかかる研究協議会を開催するとともに、各地域の特色を生かした道徳教育を推進するため、外部講師の活用や、郷土の伝統文化や偉人などを取り上げた地域教材の作成、「親子道徳の日」といった学校・家庭・地域との連携による取組などを支援する。また、「心のバリアフリー」に関する教育の推進を図る。
▽道徳科の教科書の無償給与
三十年度から使用する小学校の道徳科の教科書を無償給与する。
◆全国的な学力調査の実施=五、九八五(一一三・八%)
義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、国・教育委員会における教育施策の成果と課題を検証し、その改善・充実を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立て、さらに、そのような取組を通じた教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立するため、全国的な学力調査を実施する。
▼全国的な学力調査の実施=五、九八五
二十九年度調査として、小六、中三を対象に、国語、算数・数学の悉皆調査と、抽出による保護者に対する調査を行う。
また、三十年度調査として、国語、算数・数学、理科を対象教科とした悉皆調査を実施するための準備を行う。併せて、中学校における英語の「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」を測るための予備調査(抽出方式)を実施するための準備を行う。
◆教育課程の充実=四、三二〇(一四六・五%)
これからの時代に求められる資質・能力を育成する観点から、学習指導要領改訂等を着実に行うとともに、その理念を実現するため、教員の資質・能力向上方策とも連携しながら、「アクティブ・ラーニング」の視点からの学習・指導方法の改善、高校生の基礎学力定着に向けた取組、理数教育の充実、現代的な課題に対応するための取組などを推進し、初等中等教育の教育課程の充実を図る。
▼学習指導要領等の改訂および主体的・対話的で深い学びの推進=九八一
学習指導要領の改訂や解説書の作成、周知・徹底などを着実に実施するとともに、改訂の方向性を踏まえ、主体的・対話的で深い学びの実現(「アクティブ・ラーニング」の視点からの授業改善)にかかる実践の共有・展開などを図る。
▼次代を見据えた教育課程・指導方法等に関する先導的研究開発=八三
今後の教育課程の基準の改善などに資する実証的資料を得るため、現行の学習指導要領等によらない教育課程の編成・実施を認める研究開発学校を指定し、新しい教育課程、指導方法などについての研究開発を実施する。
▼高校生の基礎学力の定着に向けた学習改善のための研究開発事業=二八八
「高校基礎学力テスト(仮称)」の導入に向けて、学習指導体制や教材開発などとともに、試行実施に向けてのフィージビリティを確認するためのプレテストの実施などを行う。
▼理数教育の充実のための総合的な支援等=二、三八九
観察・実験にかかる理科設備の充実を図るとともに、教員にとって負担の大きい実験の準備調整などの業務を軽減し、観察・実験の指導に注力できる体制を整備する。
▼現代的課題に対応した教育の充実=一〇六
現代的な課題に対応した資質・能力を子どもたちに育むため、環境教育、社会参加などに関する教育の充実に関する取組を実施する。
▼小学校におけるカリキュラム・マネジメントの在り方に関する研究(新規)=五三
中教審における審議を踏まえ、小学校段階における授業時間数増に伴う弾力的な時間編成の在り方や、教育効果を高めるための指導計画・教材などの在り方について実践的な研究を行い、その成果を普及し、各学校の実情に応じたカリキュラム・マネジメントを支援する。
▼高校における総合的な学習の時間の抜本的改善・充実(新規)=一九八
中教審における審議を踏まえ、高校の「総合的な学習の時間」において育成すべき資質・能力を確実に身に付けるために必要な教材を作成・配布し、各学校における指導の抜本的改善・充実を図る。
▼小・中・高校を通じた英語教育強化事業=一、五一六
小・中・高校を通じた英語教育の強化のため、学習指導要領改訂等に向けた新教材の開発・整備、先進的な取組の支援や教員の指導力・専門性向上のための事業を行うとともに、生徒の英語力調査などの取組を実施する。
①小学校の新たな外国語教育における新教材の開発・整備=小学校中学年・高学年用
②外部試験団体と連携した英語力調査事業=中学生五〇、〇〇〇人、高校生四五、〇〇〇人
③中学校・高校における英語教育の抜本的改善のための指導方法等に関する実証研究=三機関
④外部専門機関と連携した英語指導力向上事業=一機関、四七県市
⑤小学校英語教科化に向けた専門性向上のための講習の開発・実施=四七機関
⑥外国語教育強化地域拠点事業=英語二五件、多言語六件
( 2016-10-05付)