文科省27年度社会教育調査中間報告 図書貸出数、小学生は過去最高に 図書館専任職員は初の3割切る
( 2016-11-09付)

 二十六年度に全国の小学生が公立図書館から借りた本は一人当たり二十八・五冊で、昭和四十九年度の調査開始以来、最も多かったことが文部科学省がまとめた「二十七年度社会教育調査中間報告」で分かった。前回の二十二年度調査の二十六・九冊から伸びた。文科省は、「小学校での朝読書の取組の広がりなどが影響している」と分析している。

 調査は、社会教育行政に必要な社会教育に関する基本的事項を明らかにすることを目的に三年ごとに実施しているもの。全国の公民館や図書館、青少年教育施設、社会教育施設などを対象に、施設の状況(職員数、施設・設備状況、事業実施状況、利用状況等)について調査している。

 現状把握は、施設数や職員数などは二十七年十月一日現在、博物館の入場者数や図書館の図書貸出数などは二十六年度の活動状況を集計した。

 全国の公立図書館数は三千三百三十六館(二十三年度三千二百七十四館)、職員数は三万九千八百三十七人(同三万六千二百六十九人)で、ともに過去最高となった。一方、専任職員の割合は前回調査を五・七ポイント下回る二八・七%にとどまった。平成二年度の八〇・二%から減少傾向が続いており、初めて三割を割り込んだ。

 指導系職員は司書が一万九千十六人(二十三年度一万六千九百二十三人)、司書補が四百五十人(同四百五十九人)で、職員数に占める割合は、司書が四七・七%、司書補一・一%と前回調査とほぼ同じ結果となった。

 二十六年度の図書館利用者数は一億八千百三十七万七千人で、前回調査の二十二年度に比べ、三・三%、六百十八万五千人減少。国民一人当たり年一・四回、小学生は年に三・〇回利用したことになる。

 また、二十六年度に貸し出した本の冊数は、六億六千二百二十三万四千四百九冊で、うち小学生の貸出冊数は一億八千七百七十九万三千二百七十九冊と、前回調査に比べ、四・六%増加した。

 これを国民一人当たりの貸出冊数に当てはめると五・二冊で、前回(五・四冊)とほぼ同じ、小学生は前回(二十六・九冊)を上回る二十八・五冊で、過去最高となった。

( 2016-11-09付)