札幌市 光陽小でおとどけアート 芸術家が“転校生”に 10月中旬以降中の島小など2校( 2023-09-27付)
おとどけアート事業・札幌市光陽小学校の活動
芸術家が“転校生”として一定期間小学校を訪れ、児童と様々な創作活動に取り組む札幌市の「おとどけアート事業」が、8月下旬の光陽小学校(髙橋直之校長)を皮切りにスタートした。光陽小には映像作家の佐竹真紀さんを派遣し、児童と様々な創作活動を展開している。中の島小学校、発寒小学校は、10月中旬以降の活動開始を予定している。
事業は、市の子どもの文化芸術体験事業の一環として実施しているもの。主催はAISプランニングが事務局を務める実行委員会。
アーティストが一定期間小学校に滞在し、創作活動等の交流を通して、子どもたちが多様な価値観に触れ、豊かな感性を育むことを目的としている。平成20年度から開始し、令和4年度時点で延べ50校で実施した。
本年度は、光陽小、中の島小、発寒小の3校を実施校に決定した。
8月下旬、光陽小で初回の活動が行われた。佐竹さんが同校を訪れ、児童との顔合わせ、校内の見学などを行った。
中の島小にはアーティスト・音楽家の櫛引康平さん、発寒小にはアーティストの東方悠平さんを派遣。いずれも10月中旬以降の活動開始を予定している。
本年度派遣する芸術家のプロフィール等はつぎのとおり。=敬称略=
▽櫛引康平(アーティスト・音楽家)
江別市生まれ。土地・場所・環境、人との間を巡る現象の研究をテーマに活動している。
主な作品は、音風景のアーカイブプロジェクト「SOUND SCAPE COLLECTIVE」、環境への音楽「Music for Dialog Deep」。
音楽制作名義ではusatoronicaとして活動。このほか、オルタナティブスペース「ゲニウス・ロキが旅をした」メンバーとして運営に携わる。
▽佐竹真紀(映像作家)
昭和55年豊頃町生まれ。札幌市在住。平成15年道教育大札幌校芸術文化課程美術コース(芸術文化学士)卒。17年道教育大大学院教育学研究科教科教育専攻修士課程(教育学修士)修了。
写真を使ったアニメーションを中心に制作。“記録”と“記憶”の狭間にある世界を探求している。
23年フランスCINEDOC PARIS FILMS COOP主催招待上映。28年ドイツドレスデン国際短編映画祭ワークショップ講師。30年ドイツ31.Stuttgarter Filmwinter審査員など。
▽東方悠平(アーティスト)
昭和57年札幌市出身。現在は青森県八戸市在住。平成18年に道教育大札幌校芸術文化課程美術コースを卒業し、20年に筑波大大学院芸術研究科総合造形領域を修了。令和5年に東京藝術大大学院映像研究科博士後期課程を修了。
「遊び」を手掛かりに、立体作品やインスタレーション、参加型のプロジェクトなどを行う。
3年に文化庁の新進芸術家海外研修制度1年研修員として、ベトナムのフエ市に滞在。また、八戸市内でAIR―Hを主宰し、フィリピンのアーティストを中心としたアーティスト・イン・レジデンスプログラムの企画、運営を行う。近年は東南アジアでの活動が多い。
( 2023-09-27付)