道文化賞に神谷忠孝氏など　道文化奨励賞は酒井広司氏ら　２８日に札幌市内で贈呈式

（道・道教委 2016-10-05付）

　道は三日、二十八年度の北海道文化賞および北海道文化奨励賞の受賞者を発表した。文化賞に北海道文学館名誉理事長で北海道文教大学教授の神谷忠孝氏など三人、奨励賞に写真家の酒井広司氏など二個人一団体の受賞が決まった。

　道では、本道の芸術、科学、教育などの分野で文化の向上発達に関し、功績が顕著な個人・団体に道文化賞、功績が顕著で、かつ、今後の活躍が期待される個人・団体に道文化奨励賞を贈っている。

　同表彰は、道教育委員会表彰として、昭和二十四年度に創設されたが、知事部局に事務が移管したことに伴い、平成二十四年度から道知事表彰として実施されている。

　贈呈式は二十八日、ホテルライフォート札幌で行う予定。

　受賞者とその活動概要はつぎのとおり。＝敬称略＝

【道文化賞】

▼神谷忠孝（七九、札幌市）―北海道文学館名誉理事長、道文教大教授

　近代文学研究者として高い評価を得るとともに、道文学館の活動に草創期から参加、理事長を十二年間務めるなどリーダーシップを発揮し、良質で充実した文学館活動を行うなど、北海道文学の研究・発展に大きく貢献した。

▼千田雅子（七一、札幌市）―バレエ指導者、振付家

　札幌舞踊会の指導者として、ソリストの経験と才能を発揮し、幾多のダンサーの育成や公演の振り付けを行った。また、バレエに限らず様々な分野で作品を発表するなどプロデューサーとしても活躍し、本道の舞台芸術の振興・発展に大きく貢献した。

▼三部安紀子（七二、札幌市）―声楽家

　声楽家として活躍するとともに、オペラを市民の舞台芸術として定着させるための活動を続け、成果を上げている。また、若手人材の育成にも尽力するなど、北海道の音楽文化の振興・発展に大きく貢献した。

【道文化奨励賞】

▼酒井広司（五六、札幌市）―写真家

　一貫して北海道をテーマに写真表現を繰り広げ、北海道特有の強靭な風土と普遍性を切り取った作風で注目を集め、本道の写真文化の振興に貢献している。

▼柴田尚（五四、札幌市）―道教育大教授

　アーティスト・イン・レジデンス活動に取り組み、十六年間で三十四ヵ国八十八人以上の海外芸術家の道内での滞在制作にかかわるとともに、文化事業の企画や芸術家の支援・育成に尽力するなど、国際的な視野をもって、本道の現代美術分野での文化振興に貢献している。

▼釧路美術協会（釧路市、深谷榮樹会長）

　大正十年の創設以来、約一世紀にわたり協会展・公募展などの美術活動を継続して展開し、数多くの優れた美術家を輩出するとともに、地域貢献にも取り組むなど、地域の文化振興に貢献している。

(道・道教委 2016-10-05付)