3定道議会一般質問の質問・答弁概要(28年9月27・28日)
(道議会 2017-01-12付)

 三定道議会一般質問(九月二十七・二十八日開催)における松山丈史議員(民進党・道民連合)、吉川隆雅議員(自民党・道民会議)、荒当聖吾議員(公明党)、藤沢澄雄議員(自民党・道民会議)の質問、および柴田達夫教育長の答弁の概要はつぎのとおり。

◆学力・学校管理について

松山議員 授業時間数と学力の相関関係について。少し古いデータだが、十六、十七年度の文部科学省の委託調査「義務教育に関する意識調査報告書」によると、年間の授業時間数を増やすことに「賛成」「まあ賛成」「どちらともいえない」「まあ反対」「反対」で答えを求めたところ、「賛成」と答えた人の割合は、保護者三五・九%、学校評議員三三・九%、首長二七・八%、教育長二〇・九%、校長・教頭一二・四%、一般教員九・五%となっていた。これは言わば、教育の素人は授業時間数を増やした方がいいと考え、逆に、現場のプロに近づくにつれて、賛成していないということになる。

 また、PISA(国際学習到達度調査)などのデータをみても、授業時間数と学力の水準の因果関係は明らかでないことと考えられるが、この授業時間数と学力の相関関係について、教育長の所見を伺う。

柴田教育長 授業時数と学力の相関関係について。OECDによる「生徒の学習到達度調査」や、全国学力・学習状況調査の結果について、道教委が行った分析では、子どもたちの学力に影響を与える要因は、学習時間だけではなく、指導方法や体制、子どもの関心や意欲など様々なものがあると考えられ、授業時数と学力の相関関係を一概に申し上げることは難しいものと考えている。

松山議員 二十五年の第三回定例会の一般質問において、私は、温暖化の進行に伴い、この半世紀で二度近く平均気温も上昇しているとの観点から、道内の学校における夏休み期間をより長くしてはどうかと質問した。その際、道内の学校は、年間を通しても、他の都府県と比して長期休暇が少なく、じっくりと家庭学習をすることができないのが、学力が全国平均を下回っている原因ではないかとも付言した。

 そこで、確認するが、道内の学校の長期休暇は、現在でも他の都府県より日数が少ないということに変わりはないのか伺う。

柴田教育長 夏季および冬季休業の日数について。小・中学校においては、各市町村の学校管理規則に従い、地域の気候や学校の実情、児童生徒の負担や教育効果などを考慮し、日数を設定しており、本道の夏季および冬季の休業期間については、合わせて五十日程度であり、他県と比べて六日程度短い状況になっている。

松山議員 その後、私も調査を進めていたところ、「学校外での勉強時間が長いほど、授業理解度が高い傾向」があることが、先ほどの「義務教育に関する意識調査報告書」にあることが分かった。しかし、今の子どもは、平日は忙しく、現実にゆっくりと勉強するのもなかなか大変である。

 そこで、この際、道内の学校の夏休みをより長くするよう、まずは、道立学校管理規則を改正し、また、各市町村に対する働きかけを推進してはどうかと考えるが、教育長の見解を伺う。

柴田教育長 道立学校における夏季休業日の期間について。道立学校の夏季および冬季休業日の期間等については、学習指導要領に示された授業時数の確保を図り、本道の気候や広域性、学校の実情、児童生徒の負担や教育効果などを考慮し、夏季、冬季それぞれの期間を二十五日以内とすることなどについて道立学校管理規則で定めている。

 なお、市町村立学校の長期休業日の期間等の設定については、設置者である各市町村教委の判断によるものと考えている。

松山議員 道立学校管理規則では、開校記念日が学校の休業日と位置付けられている。「国民の祝日」や「日曜日」および「土曜日」などと比べて異質な休業日と感じられるが、この規定の趣旨と沿革について、教育長に所見を伺う。

柴田教育長 開校記念日について。道教委では、学校教育法施行令に基づき、学校の設置が決まった日や開校式を行った日など、開校を祝うのにふさわしい日を、開校記念日として休業日とし、校長が定められることを、昭和三十二年に制定した道立学校管理規則に規定し、今日に至っている。

 各学校においては、開校記念日を契機として、児童生徒が、開校の歴史などを理解するとともに、自らの学校生活や将来の生き方などについて考えを深める機会とすることなどもねらいとしている。

― 指  摘 ―

松山議員 先ほどの教育長の答弁で分かったことは、授業時間数と学力の相関関係を一概に論ずることはできない、道内の長期休暇は他県に比べて六日程度短い、夏季休業を延長することについて否定はしなかったということである。

 これは大きな前進。引き続き今後も、夏季休業の延長などについて、本気で検討していただくよう指摘する。

◆障がいのある子の居場所

吉川議員 障がいのある子どもの親たちから聞くところによると、知的障がいのある子どもたちは、体が成長しても、心は幼い子どものままということがあり、そういった子どもたちは中学生、高校生、あるいは卒業してからも、公園に遊びに行きたいと親にせがみ、遊びに行くが、心は幼くても身体は大人と同じように大きくなっているから、公園に来ている小さな子どもや幼児に交じって遊びたいと思っても受け入れられず、それどころか、周りの大人たちに好奇や偏見の目で見られてしまうということがある。

 そうして適当な行き場所がない子どもたちには、家でゲームを与えるしかないという。

 現在、学校通学中の障がいのある子どもたちに対しては、放課後や夏休み等の長期休暇において、生活能力向上のための訓練等の提供を目的とする放課後等デイサービス、障がいのある方々の日中の活動の場を確保し、家族の就労支援および日常的に介護している家族の一時休息を目的とする日中一時支援といった制度があるが、デイサービスは事業所数や定員数が増加傾向にあるものの、支援員の指導のもとで療育を行う場であることなど、使い勝手や、空き状況等の面で、利用者のニーズに応えきれておらず、子どもたちがもっと気軽に地域の中で集まり、ひとときを過ごせる場所を提供してほしいとの声が聞かれる。

 障がいのある子どもたちが社会とのかかわりを通して生活能力を向上し、自立のための支援をしていくという観点は重要なものである。

 一方で、同じような境遇にある子ども同士・親同士が気軽に地域の中で集い合い、ひとときを楽しく過ごし、悩みの相談や情報共有のできる場所を提供できれば、そうした方々にとって、日々の生活に少しのゆとりと安らぎを得られるのではないだろうか。

 道として、障がいのある子どもたちやその親が、地域の中で気軽に集まり、友達と楽しく過ごす居場所づくりについて、さらに検討すべきと考えるが、見解を伺う。

 子どもたちにとって、最も身近な居場所といえば、学校である。

 小・中学校の開放事業として、札幌市では、「さっぽろ健康スポーツ財団」に委託して、体育館の一般開放などを行っているが、これは、健常者の利用が多数を占めており、また、空き教室を活用して行われる放課後児童クラブ、いわゆる学童保育も同じく健常な子どもたちの利用を基本としており、障がいのある子どもたちが日常的に集う居場所づくりという視点では、まだまだ整備が足りないものと考える。

 道教委として、障がいのある子どもたちの放課後や休日の居場所としての学校開放について、市町村および市町村教委にも働きかけながら、検討してはどうかと考えるが、教育長の見解を伺う。

柴田教育長 障がいのある子どもの居場所づくりに関し、学校開放の在り方について。道教委では、これまでも、開かれた学校づくりの観点から、道立学校や市町村教委に対して、学校教育上、支障がない限り、積極的な学校開放に努めるよう働きかけてきた。

 障がいのある子どもたちやその保護者が利用しているものとしては、道立特別支援学校において、PTA等が開催主体となった、水泳・ブラインドテニス等のスポーツ活動や工作教室、家庭教育に関するセミナーなどの事例がある。

 道教委としては、これらの取組の対応状況や留意点などを踏まえ、関係部局等と連携を図りながら、道立学校はもとより、市町村教委に対しても、障がいのある子どもたちや保護者の要請に配慮した学校開放が行われるよう働きかけていく考えである。

◆基礎学力の確保について

荒当議員 高校生でも、小数・分数の計算ができない、小学校で習う漢字が書けない・読めない生徒に会う場面が多くなった。アルファベットの大文字・小文字の違いが分からない、日の出が朝なのか夕方なのか分からないという子もいる。

 例えば、天気記号を教えていて、「北東の風」が書けない。天気記号が分からないのかと思って説明しても、まだ書けない。よくよく話を聞いていくと東西南北が分かっていなかった、そういう子もいる。

 また、時差の計算でも、時差の計算方法は分かるが、「午前七時の九時間前は何時なのか分からない」という子もいる。

 もちろん高校の授業では、こういう基本的なことは当然分かっているものとして説明をしていくので、その子たちが授業を理解するのに、どれだけ苦労するかは容易に想像できる。高校の授業で、時計の計算から説明してくれる先生はいないであろう。

 つまりは、この授業が何の勉強をしているのか分からない、絶望的に退屈な授業時間を過ごしているだけの子どもたちも少なからずいるということである。

 さらには、アルバイトをしても、領収書に、「前株で」といったときにカタカナで、「マエカブ、何々企業名」という笑えない笑い話も聞いたことがある。

 こういう子たちが、例えば、素晴らしい建築物を見て、「よし、私も建築のデザイナーになろう」「なりたい」と考えても、建築基準法など、数々の法令や規則に基づいて設計されなくてはならない。あるいは、設計の途中では、三角関数やラジアンなどの弧度法は当たり前に出てくる。また、冷暖房、水回りの計算であれば、微分積分が当たり前に出てくる。「こんなの社会に出たら使うことがないよ」とよく言われるが、それは大きな間違い。

 そこであきらめてしまえば、自身の夢や希望にふたをしてしまうことになってしまう。これでは、社会的損失はとんでもなく大きなものになってしまう。

 小・中学校の義務教育レベルの学力は、文字どおり、愛情をもって、型にはめてでも教え込むことが大切なのではないか。

 これを言うと、「知識だけが学力じゃない」「見えない学力も大事」との声もあることは承知しているが、そもそも公教育とは、その地域の人間を、その地域を支える社会人、市民に育成するもの。

 従って、学校は知識に加え、学習への「関心・意欲・態度」や「思考力・判断力」、そして、「情操や健全な体力」、つまり「人間力として成長する力」を育まねばならない。これこそが学力であると申し上げたい。

 基礎学力の確保について教育長の所見を伺う。

柴田教育長 義務教育段階の学力について。義務教育は、子どもたちが、将来、社会で自立して生きていく上で基礎となる学力や体力、道徳性などを養う責任を担っており、道教委としては、本道の子どもたちに必要な学力として、基礎的・基本的な知識・技能、具体的には、読み書き計算など、実生活やあらゆる学習の基盤となる知識・技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力などや、自ら進んで学習したことを実生活の中で生かしていくなどの主体的に学習に取り組む態度をしっかりと養うことが重要であると考えている。

― 指  摘 ―

荒当議員 本日、この質問に至った件は、ある教育関係者からの悲鳴とも言える相談からであった。

 ある中学校の学力テスト総合A問題。六十点満点のテスト。数学二点の生徒がいた。学力テスト総合A問題は、そんな難しくつくられていない。基礎・基本からスタートするテストである。しかし、二点しかとることができなかった。

 「ああ、この子はきょうは体調がよくなかったのかな」「前日、家庭生活環境で何かあったのかな」。一人だけ二点の子がいれば、担任教師や親はこう心配することと思う。

 私も、当初はそれを心配した。しかしながら、本日申し上げたいことは、この二点の生徒が、この科目の最低順位ではないということ。学年順位において、数学二点という点で、何と学年百六十一人中、百四十五位という順位である。ということは、零点・一点・二点の同順位も含めると、十六人もいるということである。実に、一割の生徒が零点・一点・二点という事実。これが異常でなくて何だと言うのか。

 ちなみに、数学の学年一位が三十九点だったそうである。六十点満点の三十九点とは、百点満点の六十五点に相当する。

 この中学校の学力向上プランを拝見すると、「学力向上に向けた取組の成果と課題」に自己賛美の言葉のオンパレードであった。

 課題については一点のみ、「宿題に取り組む形等での家庭学習を一時間以上取り組む生徒の割合は五割以上あった」とのこと。

 では、その宿題の答え合わせはきちんとやっているのか。答え合わせをやっておきながら、みすみす二点を取らせたのか。

 出したら出したきり、答え合わせもせず、当番が集めて担任に出そうとすると、「忙しいからきょうは見ない」と突き返す教師もいるとかいないとか。一目瞭然で、この学校はPTAはもちろん、学校評議委員会すら機能していないのではないかと心配をしてしまう。

 問題を見た途端、「無理」「パス」「どうせできない」「面倒くさい」と、試験に挑戦する前から白旗を揚げることが、すっかり身に付いているのではないか。

 こんな成績なら、五点・十点を取れば平気で、「三の評価」がつく。学力テストでは零点・一点の子が一割を占める惨状。それなのに、どなたも危機を感じないのだろうか。

 「子どもたちに過度な負担がかかる」「先生方が忙しくて対応できない」と言っている場合なのか。

 試験問題が配られ、「用意、はじめ」と同時に、机に突っ伏して白旗を揚げる小・中学生。救おうとしたのならば、いくらでも救える。しかし、そもそも救おうとすら思わない。それのどこが教育者なのか。

 一番大事な児童生徒の学力を付けてあげることもできずに、何が「忙しい」のか、何が「多忙感」なのか、手を差し伸べてから、やることをやってから、それを言えと言いたい。

 生きる力と言われているが、「用意、はじめ」で一斉に白旗を揚げる子どもたちに、その生きる力は備わっていくのであろうか。いつ備わるのか。

 そして、危機感も感じず、偽り親しんで、笑顔で子どもたちの将来を奪い、可能性を閉じ、その子の大切な一生を見殺し続ける。一体いつになったら、学校が、教師が、教育を始められるのか。

 貧困を抱える家庭には、金銭的支援も当然、必要である。しかし、支援をすることが解決ではないし、目的でもない。

 教育をもって、その家庭の貧困は、その生徒が独り立ちするときに解決させる、貧困の連鎖を断ち切る、北海道は五百四十万人の人材立国でいくという、強い決意が必要なのではないか。

 本当に指摘申し上げたいことは、誰が悪い、何が悪いという犯人捜しをすることではない。

 先生方が、一時間の授業をする環境づくりが必要なのである。ある程度の勝負感をもって、一時間の授業をしっかりとやり遂げ、その時間の教育目標、到達目標をしっかり完遂し、積み残しなく、すべての子どもたちにしっかりと学力を身に付けてあげてほしいのである。

 確かに、先生方を取り巻く環境は劣悪。のびのびと仕事がしにくい状態である。

 しかしながら、子どもの貧困や学力の格差を解消し、基礎学力を引き上げていくことは、将来の貧困の連鎖からリンクしやすい生活保護費の抑制や、能力の高い勤労者の確保、健康や人口の増加による医療費、福祉費用の抑制等に直結する安全で確実な公共投資となる。

 地域こぞって何かに力を傾けるのであれば、そこなのではないか。

 環境改善にも十分注力をし、何よりも、主人公である子どもたちの生きる力を身に付けさせるために、力強く幸せに生きていくための基礎学力の確保、教育機会の確保のための定時制の充実について、引き続き、努力いただきたい。

◆定時制の充実について

荒当議員 生まれついた環境によって職業選択の余地や可能性が限りなく少ない人生を歩まねばならないということは、とても幸せな人生とは言えない。また、どの場所に生まれついても、世の中にはいろいろな人生のキャリアパスがあるということを知り、その中で個々人が望む選択ができるようにすることは、とても大切なことだと考えている。

 わが国は、日本国憲法において、その能力に応じて等しく教育を受ける権利が与えられている。社会にある様々な業種、いろいろな選択肢から自分が望む業種を選ぶことができることこそ、人類が有史以来、勝ち取ってきた自由の中の一つではないだろうか。

 そして、好きな職業を自由に選択できる人生を手に入れるためには、個人の学力を高めることがどうしても必要になる。現状、基礎学力をしっかり高めてあげることこそが、結果的に最も多くの選択肢を手に入れることになるのではないか。

 学力の格差こそが、最もおそれ解決しなくてはならない問題である。当然、貧困からくる就学の遅れと学力の格差はつながっている問題であると言える。貧困のために学ぶことができないという状況を変えていかねばならない。

 わが国には、働きながら学ぶことができる定時制という素晴らしいシステムがあるが、残念ながら、中学校卒業者数の減少や社会情勢の変化などから、入学希望者が減少し、道内各地で再編整備が進められている。生徒の希望や保護者の希望が定時制を選ばせない、ニーズがないのかもしれないが、ニーズというのは見極めるものではなく、つくるものである。

 そこで、自身が就きたい職業に就けるよう、貧困や格差に負けないように、定時制の学校も充実させていく必要があると考える。教育長の所見を伺う。

柴田教育長 定時制教育について。定時制課程においては、勤労青少年をはじめ、他の高校を中退し、あらためて入学した生徒や、再び高校での学習を希望する社会人など、様々な志望動機や学習歴をもつ生徒が学んでおり、各学校においては、生徒一人ひとりの興味・関心や、進路希望等に応じて選択幅の広い教育課程の編成や生徒の生活スタイルに応じた履修形態の弾力化に努めている。

 道教委としては、保護者の経済状況などにかかわらず安心して教育を受けられるよう、二十六年度に創設した返還の必要のない奨学給付金制度について、一層の周知を図るとともに、生徒の多様な学習ニーズに対応し、大学等への進学に向けた個別指導や、資格取得などを通して、職業選択の幅を広げられるよう指導するなどして、定時制教育の一層の充実に努めていく考えである。

◆教育の中立性について

藤沢議員 私は、このテーマに関して、これまで幾度となく、道教委に質問や提言を行ってきた。

 最近では、第二回定例会予算特別委員会で、参議院議員選挙を目前に控えた時期に、初めて選挙権が与えられる高校生への影響を無視できない事案についてであった。

 それは、道内の高校で、「授業時間中に、政権を一方的に批判するような文言を板書し、それを複数の授業で生徒の目にふれるようにしていた」との情報が寄せられた。

 これはまさしく、「政治立て看板」ではないか、少なくとも、相談を受けた保護者や生徒にはそのように見えたのである。

 さらに、この教諭は、授業中にしばしば主観に基づいた政治的言動が聞かれ、あるときは、自分が参加した国会前のデモの様子をビデオで紹介したこともあったと聞いている。

 それらのことに関して、私は、道教委に事実確認と是正を求めたが、それについて、道教委の判断と対応、そして、現在の状況について、さらには、それは氷山の一角ではないのか、他の学校でも同様の事案はないのかという疑念を抱くのであるが、道教委の考えについて伺う。

 気になることは、教育現場での政治的中立性を問うことやその意見に対して、教育現場への不当な「圧力」という批判が新聞などでも見られること。もちろん、様々な意見があって構わないが、中立を求める意見に対して、「教育現場が萎縮する」というようなプロフェッショナルとは思えない弱気な意見が大手を振り、本来の議論が行われないことを危惧するものである。

 教育への不当な圧力はあってはならないのはもちろんだが、意見を言うことや疑問を呈することは同じではないはず。教育は、まるで「聖域」のような誤った認識が、現在の北海道の教育界をつくってきたとするのなら、それは大きな誤解だと私は考える。

 最後に、中堅の現職教諭からの訴えを紹介させていただく。

 「免許更新講習を○○大学で受けた。初日の研修は〝教育の今日的状況〟という講演。冒頭から、文科省批判、免許更新講習の批判。問題教師を排除するのがこの制度の当初の目的であったが、民主党政権がそれを阻止したように解説をしていた。十八年の教育基本法改正の問題点を挙げ、〝このときの首相は誰か知っているか?安倍総理である!〟〝このまま安倍政権が続けば、これからたくさんの教育改革が行われてしまうのではないかと思う!〟などと、まるで受講生を洗脳しているかのように思った」と述べている。

 ベテラン教師にして、このように感じさせる内容だったということである。

 大学教授が個人の主張を述べることを止めるものではないが、免許更新講習という講習で述べるべきことなのかと疑問をもたざるを得ない。

 これからも、マスコミなどの批判に屈することなく、本道教育の正常化に向けて大いに議論していきたいと思う。

柴田教育長 教育における政治的中立性の確保について。道教委としては、指摘のあった事案について、詳細に調査を行ったところ、授業での板書内容や発言などにおいて、政治的中立性を疑わしめる点が複数みられたことから、校長に対し、直ちに改善するとともに、生徒や保護者等に対して、学校の考え方などをしっかりと説明するよう指導した。

 学校においては、校長が、当該教員はもとより、すべての教員に対して、政治的中立性の確保について、あらためて指導するとともに、生徒による授業評価を活用した授業の改善や管理職による定期的な授業への指導助言を実施するほか、生徒や保護者等に対して、今回の対応について資料を作成・配布し、説明を行ってきた。

 道教委としては、今後とも、政治的中立性の確保が図られるよう、教育課程研究協議会等の研修の場において、政治的教養を育む指導の充実を図るとともに、指導主事による学校訪問を通じて、国の教師用指導資料の活用について指導を徹底するなどして、学校教育に対する道民の信頼確保に努めていく考えである。

(道議会 2017-01-12付)

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