国際的教養を養う東川町の各校　校種学年の系統性明確に　「Ｇｌｏｂｅ」充実へ意見交換　運営指導委

（市町村 2019-03-05付）

林教育長はカリキュラムの修正などの見直しを図るよう求めた

　【旭川発】文部科学省委託事業「研究開発学校制度」の指定を受けている東川町立東川小学校など東川町内の七校・園は二月二十五日、農村環境改善センターで第二回運営指導委員会を開催した。委員など九人が出席。新教科「Ｇｌｏｂｅ」の来年度からの活動のさらなる充実に向け、実践した成果や課題、修正点などについて意見を交換した。

　研究開発学校制度は、教育実践の中から提起される諸課題や、学校教育に対する多様な要請に対応した新しい教育課程や指導方法を開発するため、学習指導要領等の国の基準によらない教育課程の編成・実施を認めるもの。

　東川町は、東川小など町内七校・園が文科省から指定（二十九年度から四年間）を受け、子どもたちの国際的教養を養うため新教科「Ｇｌｏｂｅ」を創設。文化や価値観などの異なる人々とよりよい人間関係が構築できる資質・能力を育成するための、初等中等教育段階におけるグローバル化に対応した教育環境づくりを柱とした教育課程の研究開発に取り組んでいる。

　委員会で林万里教育長は、三年次目の研究に向け、カリキュラムなどに関する見直しを図るとともに、「町の特徴を盛り込んで、さらに充実させていきたい」と話した。

　続いて、東川小の神野伸二教諭が二年次目に展開した新教科「Ｇｌｏｂｅ」において、「Ｌｏｃａｌ」「Ｇｌｏｂａｌ」「Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ」の三つの要素を踏まえた実践について説明。

　幼児センターでは、ＡＬＴが主体的に進め、色や食べ物などを身近にある簡単な英単語にふれさせるよう、ゲームや遊びを通して実践を行ってきたことを報告。

　小学校では、日本語学校の留学生をはじめ、ＡＬＴ、ＳＥＡ、ＣＩＲなどを外部講師として活用し、国や文化などへの興味・関心を引き出す授業を展開。

　中学校では、コミュニケーション能力の着実な定着を図るための「ＧｌｏｂｅⅠ」、世界の諸問題について日本語学校の留学生などと一緒に課題解決に向けて取り組む「ＧｌｏｂｅⅡ」を展開し、自分の意見を発信する活動を行ってきた。

　高校では、「基礎英語力充実期」「Ｇｌｏｂｅのための基礎養成期」「関係構築と情報交換期」「社会参画準備期」の四期に活動を位置付けて実践を積み重ねてきたことを説明した。

　また、今後のカリキュラム修正については、各校種学年ごとの系統性を明確にしたカリキュラムとしてまとめることや、中学校で設定した「ＧｌｏｂｅⅠ」「ＧｌｏｂｅⅡ」の見直しを図って授業改善に取り組むことなどを挙げた。

　このほか、報告書と来年度の計画書、評価方法など、今後の予定について確認した。

　出席者から、「子どもたちにとって、英語を使って話すことは“当たり前”だと感じさせる環境づくりをしていくのはどうか」「学年によって最終的にどれくらいのコミュニケーション能力を身に付けさせたいのか明確にするべき」などの意見が上がった。　

(市町村 2019-03-05付)