釧路市教委　合同研究Ｇ研修・報告会　成果や課題を確認　学習指導など３グループ

（市町村 2023-03-02付）

研究グループ委員は成果や課題を報告した

　【釧路発】釧路市教委は２月１６日、釧路教育研究センターで４年度第２回合同研究グループ委員研修会兼研究成果報告会を実施した。本年度からより具体的な課題解決に向け、研究グループを３グループに再編。「学習指導・開発研究」「子ども支援」「郷土読本・地域学習」とし、再編後初となる報告会で成果や課題について報告を行った。

　報告会には、各研究グループ委員や市教委関係者ら２８人が出席したほか、市内小・中学校、義務教育学校から約４０人がリモートで参加。本年度の研究成果報告などを参考に、教育課題解決に向けた教育実践への活用について研修を深めた。

　はじめに、岡部義孝教育長があいさつ。委員への感謝の意を示した上で「課題解決に向けた具体的取組が各学校で有効に活用されるよう積極的に発信してほしい」と、３グループの活動報告に期待を寄せた。

　まず、学習指導・開発研究グループが「１人１台端末の活用による情報活用能力の育成」をテーマに報告。「情報活用能力」について確認したあと、主な活動について説明した。ロイロノートの活用方法やグーグルジャムボード等のアプリを活用した授業実践、ＩＣＴ機器の活用方法をより良くするための講座開設などを報告。また「情報活用能力」の育成指標を、より明確・簡潔にするため、文部科学省の「体系表」などを整理。児童生徒の実態に合わせ、修正・改善を加えた「釧路市版体系表」を作成し、根拠を明確にして、課題解決に役立つ情報を選ぶことができるとした。

　子ども支援研究グループは「不登校児童生徒に対する日常の支援の在り方」をテーマに発表。各校の不登校児童生徒の実態を示したあと、不登校の未然防止・早期対応・長期対応の視点から、学級担任が意識するべきこととして①授業②学級経営③情報共有④保護者との連携―の４点を提示。授業や学級経営、情報共有や保護者との連携における各校の実践例を紹介した。

　授業に関しては日常の授業を魅力的にするために生徒指導の３つの機能「自己存在感の感受を促進」「共感的な人間関係を育成」「自己決定の場を提供」を意識した授業について示した。

　郷土読本・地域学習研究グループはテーマ「本年度の活動報告およびロイロノート資料箱の紹介」を発表。「ロイロノート資料箱」の使い方を確認したあと、ロイロノートを活用した市の歩みを写真で紹介。釧路および北海道のまちづくりが、時代と共に移り変わる様子を、写真を並べることで比較しやすくなること、絵カードの作成や言葉の変更や追加、データの更新も可能になることなどを説明。社会科や総合的な学習の時間などでも使える動画教材の紹介や小テスト・プリントの作成など「ロイロノート資料箱」の有効活用を呼びかけた。

　参加者からは「情報活用能力の基本的な部分をあらためて考えるとともに、子どもたちとの共有が大切であると感じた」「ロイロノート資料箱は、低学年でも活用ができ、様々な場面での有効活用に挑戦したい」など、報告会の成果を実践に生かしたいといった声が上がった。

各研究グループ委員はつぎのとおり（◎はグループリーダー）。

▼学習指導・開発研究グループ

◎早川将光教諭（景雲中）

▽中村萌子教諭（中央小）

▽尾形加奈子教諭（芦野小）

▽岡本憲和教諭（春採中）

▽松永悠佑教諭（桜が丘中）

▼子ども支援研究グループ

◎大場公博主幹教諭（昭和小）

▽石原明香教諭（青葉小）

▽柴田浩子教諭（東雲小）

▽三守絢子教諭（新陽小）

▽齋藤政人教諭（幣舞中）

▽竹岡良太教諭（景雲中）

▽髙橋円教諭（鳥取西中）

▼郷土読本・地域学習研究グループ

◎北岡知樹教諭（大楽毛小）

▽藤井健史教諭（城山小）

▽目黒翔子教諭（鳥取小）

▽坂本優一教諭（美原小）

▽磯部香里教諭（興津小）

(市町村 2023-03-02付)