利尻町 6年度教育行政執行方針 新たな協働学習へデジタル教材 公設学習塾高校生も対象( 2024-04-10付)
宮道教育長
【稚内発】利尻町教委の宮道信之教育長は、3月下旬の教育委員会議で6年度教育行政執行方針を説明した。6年度からはデジタル教材の活用を加速させるため「新たな協働学習・授業支援デジタル教材を導入し、効果的な指導力の向上を図り、ICTを効果的に活用した個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」を図るとした。また、5年度に開設した公設学習塾では「6年度からは高校生も対象とすることで、学習環境も含めた中高の連携と連続した取組を推進する」との方針を示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼利尻町教育のめざす姿
町教育推進計画で、町教育の理念を「心豊かにいきいきと学び、利尻の新しい時代を拓く人を育てる」と定め、その実現のために「“自分”づくり」「“学び”づくり」「“ふるさと”づくり」を掲げている。これを踏まえて、学校教育推進の総括目標を「利尻を愛し、夢と志をもち、可能性に挑戦する子どもを育てる学校教育の推進」、社会教育推進の総括目標を「心豊かにいきいきと学び、活力あるまちづくりを目指す人材を育成する社会教育の推進」と定め、本町の教育行政を推進していく。
また、社会情勢の影響により、当初、4年度から2ヵ年で予定していた沓形小学校改築工事は、4~6年度の3ヵ年で実施することとなったが、6年度の夏休み明けには、新校舎での新たな学びがスタートする。しかし、解体工事や外構工事、グラウンド整備工事は引き続き12月まで行うので、児童・教職員の安全と学習環境に十分に配慮しながら、新しい時代の学びを支える環境整備を進める。
沓形小改築工事が完了することで小・中学校の耐震化率が100%となるとともに、設計段階からエアコンの導入を進めている沓形小新校舎と併せて、5年度末には仙法志小学校、利尻中学校へのエアコン設置工事を実施しているので、夏場の暑さ対策も完了する。
▼利尻を愛し、夢と志をもち、可能性に挑戦する子どもを育てる学校教育の推進
本町では、地域の豊富な教育資源を活用するなどして、発達段階に応じたキャリア教育を推進している。小中高12年間の指導の体系化と学校間の指導はもとより、保育所からの一貫性を確保することによって、ふるさとの理解に始まり、地域や家庭生活においても子どもを育てる意義の理解が深まるよう取り組み、保小連携に始まり、小小連携、小中連携、小中高連携、最終的には、保育所から高校までの学校間連携の推進を行うことで、円滑な接続に取り組んでいく。
また、中学生向けの公設学習塾を5年度から開設しているが、6年度からは高校生も対象とすることで、学習環境も含めた中高の連携と連続した取組になるよう進める。
ICTの活用では、GIGAスクール構想のもと、児童生徒1人1台のコンピューター端末の取組を進め、個に応じた指導はもとより、グループ別指導や発展的な学習、考える授業と児童生徒の学習意欲の喚起と学力の向上にさらに役立て、MEXCBTの運用・活用やコンピューター端末の持ち帰りについても引き続き実証・検証する。
また、6年度からはデジタル教材の活用を加速させるため、新たな協働学習・授業支援デジタル教材を導入し、効果的な指導力の向上を図り、ICTを効果的に活用した「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を進める。
利尻中では、学校運営の改善・充実に対して保護者や地域住民が参画し、地域と共にある学校づくりを進めていく「コミュニティ・スクール制度」を活用した学校づくりを行っている。今後も中学校を中心とした複数校導入について検討を進め、既存組織を活用した上で、小学校から中学校への円滑な接続にもつながるよう、コーディネーターを中心に地域と学校の連携・協働体制の構築を進める。
また、引き続き休日の部活動の地域連携(移行)についても、説明会や研修会を行いながらニーズ・課題を把握した上で、文化・スポーツ団体の活性化も含めた町の実情に応じた体制づくりを検討し進める。
これら学校教育の推進を図るため、個別最適な学びと協働的な学びの実現や学校における働き方改革アクションプランを検証し、教育環境整備や意識改革を行い、新しい働き方の実践のため、ICTや校務支援システムの有効活用を図るとともに、町費負担事務職員、特別支援教育支援員などを引き続き必要とする学校に配置し、校内支援体制を充実させ、児童生徒・教職員のメンタルヘルスケアを行いながら、教員が子どもたちと向き合う時間の確保に向けた業務改善を含め推進していく。
( 2024-04-10付)