10年度開校の義務教育学校 4・3・2制を採用 3年生から専科指導導入 留寿都村教委
( 2024-10-11付)

 【小樽発】留寿都村教委は、10年度の開校を目指す義務教育学校の学制等を固めた。学制は4・3・2制を採用。教育課程の基本的な方針をみると、3年生から国語、社会、算数・数学、理科で専科指導を導入。1・2年生に取り入れる外国語活動については、7年度から前倒しして実施する。佐々木利明教育長は「児童生徒の学力向上など、プラスの効果をもたらしたい」と期待する。

 村内には、留寿都小学校と留寿都中学校の小中各1校があり、いずれも役場周辺の市街地中心部に位置している。留寿都小の校舎は平成9年に竣工した一方で、留寿都中が昭和49年竣工で老朽化が著しい。人口減少や少子化によって児童生徒の減少が見込まれ、集団規模を確保することが課題に挙がっていた。

 このため、義務教育学校化に当たっては、鉄筋コンクリート造2階建ての留寿都小校舎を長寿命化改修しつつ、必要になる普通教室や特別教室分を平屋建てで増築し、施設一体型として整備。屋内運動場についても、地域の避難所として活用することを念頭に改築する。

 現段階で固めた方針をみると、学制は4・3・2制を採用。小学1~4年生を基礎期として、学習の基礎基本の確実な習得を目指す。小学5年生から中学1年生までを充実期として、目標設定や自ら学ぶ態度の育成を図る。中学2・3年生の発展期では、自分の人生をデザインする力の育成に努める。

 これを踏まえた教育課程編成に当たっての基本的事項を整理。国語、社会、算数・数学、理科については、3年生から専科指導を採用するとともに、2~6年生の算数はチーム・ティーチングを取り入れる。学習指導のさらなる充実を図りながら、教職員の持ち授業時数の平準化を目指す。

 また、これまで3年生から実施していた外国語活動を、1・2年生にも導入。町内の認定こども園が本年度から外国語活動を設けているため、幼小の連続した学びを考慮し、7年度から前倒しして実施する。

 このほか、1~6年生の書写、1~9年生の音楽、1~6年生の図工および7~9年生の美術、7~9年生の技術および5~9年生の家庭、3~9年生の体育(保健体育)で専科指導を導入する。

 施設規模・概算総事業費については、現在進めている基本設計で固める。7年度の用地確定測量、実施設計を経て、8年度からの小学校改修および増築に取りかかり、10年度の開校を目指す。

 佐々木教育長は「小規模自治体であり、田舎のハンディキャップがある。義務教育学校を開校することで、学力向上をはじめとしたプラスの効果をもたらしたい」と話す。

 4月の総会で会長に就任し「教頭同士の横のつながりが大切」と第一声を発した。気軽に情報交換ができる機会を増やし「それぞれが各校で元気に仕事をしてほしい」と願う。

( 2024-10-11付)