札幌市教委 悩みやいじめアンケート シャボテンログで実施 抱え込み防止 負担軽減へ( 2024-10-28付)
札幌市教委は、例年実施している「悩みやいじめに関するアンケート調査」について、本年度は心の健康観察アプリ「シャボテンログ」を活用して実施する。ICTを活用することで、一部の教職員による抱え込みなどを防ぎ、組織的な対応につなげていく。また、回答結果の集計作業など学校の負担業務軽減を図る。
ことし4月に改定した市いじめの防止等のための基本的な方針では、ICTを活用して児童生徒のSOSを早期発見・対応する体制づくりなどを示している。
これを踏まえ、本年度の調査はシャボテンログを活用して実施。いじめの見逃しや一部の教職員による抱え込みを防ぐとともに、いじめの未然防止・早期発見・対処を一層推進することを目指す。
また、ICTを活用することで、印刷業務や準備、集計など教員の業務負担軽減につなげる。集計結果はアプリを運用するスタンドバイ㈱が市教委に提供するため、各校は市教委へ提出する必要がなくなる。
今回は、市教委が例年調査してきた質問項目1項目と、シャボテンログに標準搭載されている質問項目6項目を組み合わせる。
これまで、悩みなどがある時の相談先について「誰にも相談しない」と回答した児童生徒に対し、担任の面談によって理由などを聴取していたが、アンケート調査の段階で具体的に問うことで、一部の教職員による抱え込みを防ぐとともに、早期・即時的に組織で把握できるようにする。
さらに、シャボテンログには教員の日頃の関わりの程度を問う項目が設定されている。児童生徒と教職員の認識のずれを客観的に把握できるようにすることで、個別のリスク軽減をねらっている。
11月1日から12月6日までの間に、各学校で日程を設定して実施。児童生徒は1人1台端末を持ち帰り、家庭で回答する。シャボテンログに搭載されている6項目については、本年度内であれば期間外での実施が可能。
児童生徒の回答結果はエクセルに出力し、データで3年間厳重に保管するよう求めている。小学校から中学校への引き継ぎについては、前年度までの結果を紙の原本、本年度の結果をエクセルデータで渡す。
実施後は速やかに回答結果を複数の教員で確認し、原則全ての児童生徒に個別面談を実施するよう求めている。聴き取った内容や把握した事実を関係保護者に伝えるとともに、今後の対応等について学校いじめ対策組織で検討し、連携を図りながらいじめの解消に向けた対応を行うよう強調している。
市教委は、本年度の成果と課題を踏まえ今後の実施方法を検討する考え。
( 2024-10-28付)