札幌資生館小 実践発表会 表現意欲引き出す授業 特支学級図工 子を主語に
( 2024-11-18付)


札幌資生館小実践発表会

 札幌市立資生館小学校(三戸部文彦校長)は10月下旬、同校で第7回教育実践発表会を開催した。研究主題「意思をもって学び続ける子を育む授業の創造」のもと、10授業を公開。特別支援学級図工では、身近な材料を使った作品づくりを通して、表現したいものを追究する姿を引き出す授業を展開した。

 同校は「子どもが決める 子どもが創る 子どもが“主語”になる授業」をキーワードに第7次研究の3年目を推進。研究の視点①子どもの思考の流れを汲んだ教材化と単元・題材の構成②互恵的な学びを支える教師の関わり―の2点に基づき授業づくりに取り組んでいる。

 公開授業のうち、かえで学級1組(T1中村嘉宏教諭、T2奥田孝子教諭。児童数1年生8人)では、図工「うつした かたちから」を展開した。

 単元では、洗濯ばさみやクリップなど身近なものを使ったスタンプアートに取り組んでいる。研究主題にある「意思を持って学び続ける子」の姿を「いろいろな材料の形を写して表す時の感覚や行為から、自分の表したいことを追究していく子」と捉え、児童の発想を広げていくことを大切にした授業を構成した。

 前時までに児童たちは、様々な材料を紙に写し、何かに見立てる活動に取り組んできた。

 それを踏まえ、4時間扱いの3時間目に当たる本時では、異なる材料を組み合わせたり写し方を工夫したりしながら、自分の表したいものを追究する姿を引き出すことを目指した。

 中村教諭は導入で、前時までに児童たちが取り組んだ作品を提示し「何ができたか・何に見えるか」「どのような写し方をしているか」などを振り返った。

 その上で、本時の活動内容を伝え「どんな絵を作りたい?」と発問。児童たちは「恐竜の世界を作りたい」「虹の世界がいい」「モンスターが戦っているところ」などとイメージを膨らませ、活動に取りかかった。

 中村教諭は「これは鳥さんが飛んでいるんだね」「ライオンのたてがみがあるのがいいね」などと児童の作品の工夫を価値付け、より良い表現を追究する児童の姿を引き出した。

 さらに、完成した作品を実物投影機に映し出し「○○さんの絵は何に見えるかな」「どんな工夫があるかな」などと問いかけた。友達のアイデアに触れる機会を創出し、自分なりの発想を持てるようにした。

( 2024-11-18付)