全国学力等調査北海道版結果③後志ブランドの授業確立 検証改善サイクルの充実も 後  志
( 2024-11-21付)

【分析結果】

▼小学校

▽多くの学校で、国語の授業において、違う点や似ている点を整理したり、図で示したりしながら、情報を整理する活動を行ったことによって、授業改善が図られ、国語の「書くこと」「読むこと」の領域、「情報の扱い方に関する事項」で平均正答率が、全国および全道を上回ったと考えられる

▽多くの学校で、授業やテストで間違えたところや、理解していないところについて、分かるまで教えたことによって、算数の勉強は好きと回答した児童の割合が、全国および全道を上回ったと考えられる

▼中学校

▽多くの学校で、生徒が、それぞれの良さを生かしながら、他者と情報交換して話し合ったり、異なる視点から考えたり、協力し合ったりできるように学習課題や活動を工夫したことによって、話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、新たな考え方に気付いたりすることができていると回答した生徒の割合が、全国を上回ったと考えられる

▽多くの学校で、教員がコンピューターなどのICT機器の使い方を学ぶために必要な研修を行ったことによって、授業でPC・タブレットなどのICT機器をほぼ毎日使用していると回答した生徒の割合が、および全道を上回ったと考えられる

【管内教育の重点(学力)】

▼好循環を創出する検証改善サイクルの充実

▼子どもを主語にした授業の推進

【具体的な改善策】

▼好循環を創出する検証改善サイクルの充実(体制の強化)

▽委員会と一体となった学校への支援

・8~9月に学力向上に意欲を持っている学校を教育委員会と局長または次長が訪問し、教育課程改善の視点と学力向上に向けた体制づくりについての説明を聞き指導助言を行う

▽教育課程編成の力量の向上に向けた支援

・義務教育指導監による2回目の経営訪問において、全ての学校に調査結果を活用した教育課程の改善について指導助言を行う

▽異動校長、採用校長、昇任教頭への支援

・全ての管理職が年度当初から教育課程に基づいた学校経営ができるよう、集合研修と局長・次長・義務教育指導監との個別の学校経営懇談を実施する

▼子どもを主語にした授業の推進(後志ブランドの確立)

▽委員会と一体となった学習習慣の改善

・教育支援課長と指導主事による教育委員会・学校に対する学力調査結果分析や授業改善等に関わる協議を行う

▽教育課程編成の力量の向上に向けた支援

・各学校が自走できるよう「管内の各種教育活動の推進校一覧」を作成し、義務教育指導監から校長に視察校を提案するなど、学力向上に成果を上げている学校から学ぶことができる体制を構築する

▽授業改善を進める集団づくりに向けた支援

・数学・英語の中核教員による、学力向上に苦慮している学校や教員を支援し、授業改善を進めるネットワークの構築と具体的な取組を推進する

平均正答率の経年変化(数値は全国平均との差)

小学校

中学校

【学力向上策に関連した特色ある取組】

▼教育局の学力向上策の概要

▽市町村教委教育長と教育局長が共に学校を訪問し、今後の取組に対する助言や教育委員会・教育局ができるサポートなどについて協議

▽全国学力・学習状況調査結果の分析と取組の具体が整理される10月に教育委員会訪問1(教育委員会対象)と、教育委員会訪問2(各校の校長と教務主任対象)を実施し、成果の検証結果と授業改善の方向を学校、教育委員会、教育局で共有

〈取組のポイントとその具体〉

▽共和町立西陵小学校〓学力調査の成果を全教職員で実感できる組織づくり

・全国学力・学習状況調査の問題に基づく求められる力の確認、授業改善の方向性の決定、授業改善の検証を全教員の共通理解のもと実践した

・全国学力・学習状況調査の結果から把握した課題を全校の課題として受け止め、速やかに授業改善に取り組むとともに、他の実践から学ぶ授業参観や研修便りの発行による授業改善に向けた情報共有を行うなど、積極的な取組を進めた

▽寿都町立寿都小学校〓できなかった問題をできるようにする指導の充実

・全国学力・学習状況調査やチャレンジテスト等の分析結果から、子どもたちに課題が見られた領域等を明確にし、配当時数や学習形態、指導方法などを含め、教育課程の改善等に取り組んだ

・第6学年が、全国学力・学習状況調査でできなかった問題ができるようになったことを実感して卒業できるよう、教員が課題となる内容の問題を作成するなど、学び直しの機会を充実させるとともに、他学年においても活用するなど、系統的な指導に取り組んだ

▼成果・課題

▽全国学力・学習状況調査やチャレンジテスト等の結果分析を踏まえた授業改善のポイント等を共有し、実践するなど、各学校での検証改善サイクルの充実が図られてきた

▽「週末チャレンジ」(自学用のプリント)を作成するなど、子どもたちに課題が見られた領域等の資質・能力の育成に向けた取組が主体的に進められるようになってきた

▽各学校の検証改善サイクルを充実させていくプロセスに応じ、校長のリーダーシップや教頭の関与のバランスを工夫する必要がある

( 2024-11-21付)