全国学力等調査北海道版結果⑥学力向上へ共通シート活用 資質向上コンセプトマップ共有( 2024-11-26付)
渡 島
【分析結果】
▼小学校
▽児童の姿や地域の現状等に関する調査や各種データなどに基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立したことによって、算数の授業において、児童がどのようなことにつまずくのかを想定した指導を行うなどの授業改善が図られ、先生は、授業やテストで間違えたところや、理解していないところについて、分かるまで教えてくれている思うと回答した児童の割合が全国および全道を上回ったと考えられる
▽国語の授業において、情報と情報との関係付けの仕方、図などによる語句と語句との関係の表し方を理解し使うことができる指導を行ったことによって、国語の「情報の扱い方に関する事項」の平均正答率が全国に最も近くなったと考えられる
▼中学校
▽生徒の姿や地域の現状等に関する調査や各種データなどに基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立したことによって、学習指導において、生徒一人ひとりに応じて、学習課題や活動の工夫が図られ、授業は、自分にあった教え方、教材、学習時間などになっていたと回答した生徒の割合が全国および全道を上回ったと考えられる
▽学習指導において、生徒が、それぞれの良さを生かしながら、他者と情報交換して話し合ったり、異なる視点から考えたり、協力し合ったりできるように学習課題や活動を工夫したことによって、学級の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、新たな考え方に気付いたりすることができていると回答した生徒の割合が全国及び全道を上回ったと考えられる
【管内教育の重点(学力)】
▼授業改革の推進(資質・能力を身に付ける)
▽「教師が主語の授業」から「子どもが主語の授業」へ(子ども主体の学習への転換)
▽教職員の資質・能力の向上(学習指導要領および令和の日本型学校教育についての理解の深化)
▽組織マネジメントの着実な推進
▽1人1台端末の活用の質の向上
【具体的な改善策】
▼「資質向上推進に係るコンセプトマップ」の共有
▽資質向上推進に係る事業について、効果の高い一貫した取組にすることができるよう、各種事業の関連付けを明確にするとともに、市町教委と共有する
▼学力向上に関する取組の継続的な支援
▽年2回実施する学校教育指導訪問や「EBE協議会」を通して、各学校の成果と今後の取組の方向性を明確にするなど、学力向上に関する取組を継続して支援する
▼中学校区を踏まえた学校訪問の実施
▽中学校区における育成を目指す資質・能力の設定および小・中学校9年間を通じた教育課程の編成・実施、授業参観を通した一貫した指導の確立など、地域の実情に応じた小中一貫教育の取組を支援する
▼「学力向上Signpost」の活用
▽管内共通の作業シート「学力向上Signpost」を作成し、学校教育指導訪問や「EBE協議会」において活用することによって、教育局、市町教育委員会、学校が共通認識に立って、学力向上に向けた取組を一体的に推進することができるようにする
▼「授業改善プロジェクト」の実施
▽学習指導要領の趣旨の実現に向けた個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実による主体的・対話的で深い学びの実現や、各教科等における1人1台端末の効果的な活用について理解を深め、新しい時代の教育に求められる教員としての資質・能力の向上と、教員間の連携強化を図る
平均正答率の経年変化(数値は全国平均との差)
小学校
中学校
【学力向上策に関連した特色ある取組】
▼教育局の学力向上策の概要
▽学習指導要領の趣旨や令和の日本型学校教育の構築に係る内容について理解を深め、教員の資質向上の基盤となる知識・技能の定着を図るためのオンデマンド研修「Pick―Re:Seminar(ぴっく・り・せみなー)」を配信
▽初任段階教員およびミドルリーダー教員等を対象とした、各教科等の授業実践における課題を明確にして授業改善を図るための指導主事の授業参観および協議による継続的な伴走支援「Skill―Up BANSOAS(すきる・あっぷ・ばんそあす)」を実施
▼学力向上策に関連した特色ある取組
〈取組のポイントとその具体〉
▽福島町福島小=初任段階教員等を対象にした「Skill―Up BANSOAS」の実施
・指導主事を招き、オンデマンド研修「Pick―Re=Seminar」の動画資料を活用した校内研修を実施した
・初任段階教員が動画資料を踏まえた授業を公開し、指導主事との協議を通し、授業改善に向けた課題を整理した
・協議において、管理職および町教育委員会指導主事が同席し、授業改善の方向性を共有することで、日常的な授業改善につなげた
▽八雲町八雲小=ミドルリーダー教員を対象にした「Skill―Up BANSOAS」の実施
・指導主事のファシリテートのもと、他市町立小・中学校および北海道教育大学附属小・中学校のミドルリーダー等と、今求められる授業の在り方について、ウェブ会議で交流した
・ウェブ会議において、ICT機器を効果的に活用した主体的・対話的で深い学びの実現に向けた実践を発表し合うとともに、各校の教員による公開授業や、授業実践に係る課題解決に向けた協議を通して、さらなる授業改善につなげた
▼成果・課題
▽教員一人ひとりの状況を適切に把握し、授業実践の改善点等について個に応じた指導助言を行ったことにより、初任段階教員等を対象とした「Skill―Up BANSOAS」のアンケートにおいて「授業を行うに当たって必要な考え方、構成、着眼点等について、根拠が示され、今後の学級経営の指針となる貴重な学びとなった」などの肯定的な回答が多く見られるなど、教員の資質向上につながってきた
▽ミドルリーダー教員等を対象とした「Skill―Up BANSOAS」において、令和の日本型学校教育に係るテーマに基づく授業公開・協議を行ったことによって、主体的な授業改善が促進されるとともに、教員間の連携強化が図られてきた
▽教員一人ひとりの専門性を高める機会の充実を図るとともに、本プロジェクトのゴール「教師が主体的に学び続ける姿勢を身に付けること」の実現に向けて市町教育委員会および学校が自走できるよう継続的に支援する必要がある
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