道文化賞に雨貝尚子氏など 27日に札幌市内で贈呈式 道文化奨励賞は伊藤隆介氏など
( 2015-10-06付)

 道は、二十七年度の北海道文化賞および北海道文化奨励賞の受賞者を決定。文化賞に声楽家の雨貝尚子氏など二個人一団体、奨励賞に映像作家の伊藤隆介氏など二個人一団体の受賞が決まった。

 道では、本道の芸術、科学、教育などの分野で文化の向上発達に関し、功績が顕著な個人・団体に道文化賞、功績が顕著で、かつ、今後の活躍が期待される個人・団体に道文化奨励賞を贈っている。

 同表彰は、道教育委員会表彰として、昭和二十四年度に創設されたが、知事部局に事務が移管したことに伴い、平成二十四年度から道知事表彰として実施されている。

 贈呈式は二十七日、ホテルライフォート札幌で開催される予定。

 受賞者とその活動概要はつぎのとおり。=敬称略=

▼道文化賞

▽雨貝尚子(声楽家、道教育大名誉教授)

 声楽の演奏活動を行うとともに、合唱音楽の普及に尽力するほか、北海道二期会での活動や声楽研究会の主宰など、後進の育成と音楽文化の向上・発展に貢献。

▽藤戸竹喜(木彫り作家)

 熊彫りの父のもと十二歳から木彫りの世界に入り、本道の木彫り先駆者として、つぎつぎと大作を制作する中、特に、アイヌ民族をモデルとした等身大立像はアイヌ民族の関心を高めるなどアイヌ文化の普及に貢献。

▽HBCジュニアオーケストラ(溝口博史団長)

 北海道に根ざしながら、世界へはばたく国際感覚を育み、国内外で活躍する優れた演奏家を多く輩出するなど、音楽による青少年の情操教育と音楽文化の発展に貢献。

▼道文化奨励賞

▽伊藤隆介(映像作家、道教育大教授)

実験的な映像作品を手がける映像作家として数少ない道内出身者で、国内外で個展を開催。メディアのもつ本質を鋭くえぐった作品は、北海道の新時代を代表するものとして評価が高い。

▽谷口明志(美術家、北広島高教諭)

 道展で会友賞などの受賞歴を有し、会員として活躍しているほか、自ら組織するグループ展を海外でも精力的に実施するなど、北海道の近代美術をけん引。

▽公益財団法人北海道演劇財団(秋山孝二理事長)

 全国でも数少ない市民参加型の財団法人として設立。演劇創造や鑑賞機会の提供などのほか、市民による活動を取り入れた演劇によるまちづくりに取り組むなど、本道の演劇創造をリード。

( 2015-10-06付)