高校生の政治活動容認 校内は制限・禁止―文科省通知( 2015-11-04付)
選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられることを受け、文部科学省は十月二十九日、これまで制限・禁止されていた高校生の政治活動を一定の条件のもとで容認する新たな通知を、初等中等教育局長名で都道府県教育委員会などに発出した。
高校生の政治活動については、昭和四十四年、文部省(当時)が学生運動の高校生への波及を懸念し、「教育的な観点からみて高校生の政治的活動は好ましくない」などとする通知を発出し制限・禁止していた。しかし、公職選挙法の改正によって選挙権を得られる年齢が十八歳以上に引き下げられたことを受けて、文科省が検討を進め、四十六年ぶりに見直すこととした。
通知によると、高校生の政治活動は、「今後は、生徒が国家・社会の形成に主体的に参画していくことがより一層期待される」と強調。高校での主権者教育や、高校生が行う政治活動に関する注意点を示した。放課後や休日に校外で行われる選挙運動や政治活動について、「家庭の理解のもと、生徒が判断し行うもの」とし、学業や生活に支障がないことなど一定の条件のもとで容認した。
一方で、校外であっても「違法もしくは暴力的なおそれが高いと認められる場合は制限・禁止することが必要」と明記した。
授業や生徒会活動、部活動などの校内での教育活動における政治活動は、これまでどおり禁止とし、放課後や休日であっても、校内の政治活動は制限または禁止が必要とした。
また、教員に対しては、個人的な主義主張を述べることを避け、中立的な立場で生徒を指導することを要請。学校の内外を問わず、その地位を利用して特定の政治的立場に立って生徒に接することのないよう、また、不用意に地位を利用した結果とならないようにすることを求めた。
( 2015-11-04付)