馳文部科学大臣が年頭所感 自立し活躍する力育成 課題を正面から見据え解決へ( 2016-01-06付)
馳浩文科大臣
馳浩文部科学大臣は、平成二十八年の年頭所感で、すべての子どもが、社会で自立し活躍する力を育むための教育の充実に取り組む決意を表明した。教職員定数の充実や幼児教育の段階的な無償化の推進など、文部科学行政全般にわたる懸案を、「正面から見据えて課題を解決していく」との考えを示した。
馳文科大臣は年頭所感で、「一億層活躍社会の実現に向けた取組」「東日本大震災からの復旧・復興」「教育再生」「科学技術イノベーション」の大きく四分野にわたって考えを述べた。
一億総活躍社会の実現に向けた取組では、特別な支援を要する子どもも含めたすべての子どもが社会で自立し、活躍する力を育むための教育の充実に取り組む決意を表明。
教育再生は「国の最重要政策」と強調。道徳の時間の「特別の教科」化などによって道徳教育の充実を図るとともに、障害のある子どもたちのため、教職員の専門性向上、通級による指導の充実、拡大教科書等の普及・充実、学校施設のバリアフリー化などの必要な教育条件を整備していく。
これらの「教育再生」の取組を実現するため、「教職員定数の充実をはじめとした条件整備が不可欠」と強調。次世代の学校指導体制の強化に向けて、迅速に検討を進めていく決意を示した。
学校を取り巻いている複雑化・困難化した課題を解決するため、教員を中心としたチームとしての学校に必要な指導体制の整備を推進。また、教員の指導力の向上を図るため、その基盤としての養成・採用・研修の一体的改革に取り組む。
財源確保と並行した幼児教育の段階的な無償化の推進、福祉機関との連携強化、地域未来塾による学習支援や家庭教育支援の充実など、子どもの貧困対策に関する大綱を踏まえた取組を総合的に推進していく考えを示した。
高校生等奨学給付金や大学等奨学金事業における無利子奨学金の拡充および二十九年度進学者からの適用を目指した「所得連動返還型奨学金制度」の導入に向けた取組など、「教育費の負担軽減」を図っていく考えを表明した。
社会総がかりでの教育の実現を図るため、コミュニティ・スクールや地域全体で未来を担う子どもの成長を支える「地域学校協働本部」など、学校と地域の連携・協働を進めていくための仕組みづくりを積極的に推進する方針を明らかにした。
最後に、「文部科学行政全般にわたり、一つ一つの懸案を正面から見据えて課題を解決していくという姿勢で、様々な取組を進めていきたい」との決意を示した。
( 2016-01-06付)