国立教員養成大卒業者の就職状況 教員就職率は60・5% 道教育大、0・6ポイント減の58・6%
( 2016-02-04付)

 国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)の二十七年三月卒業者の昨年九月末現在における教員就職率(卒業者のうち教員就職者)は六〇・五%と、前年に比べ〇・一ポイント上昇したことが文部科学省の調査で分かった。道教育大学は五八・六%で、〇・六ポイント下降した。

 文科省では、幼、小、中、高、特別支援学校などの教員養成を目的とする国立の教員養成大学・学部(四十四大学・学部)の教員養成課程卒業者の就職状況(九月末)を毎年取りまとめており、二十三年度からは、教職大学院二十五校の修了者の状況も併せて調査している。

 国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)卒業者の教員就職率は、昭和五十四年の七八%をピークに、少子化による児童生徒数の減少などに伴う採用減で、平成十一年には三二%まで低下。その後、教員採用者数の増加や、教員養成大学・学部の入学定員減などによって、近年は五〇%台後半から六〇%台前半を維持している。

 二十七年三月の卒業者数は一万七百二十三人。そのうち、九月末の段階で、六〇・五%(前年比〇・一ポイント増)に当たる六千四百八十六人が教員に就職。前年に比べ二十一人増加した。内訳は、正規採用が二百三十二人増の四千四十五人、臨時的任用が二百十一人減の二千四百四十一人。

 また、保育士への就職者が百五十一人、教員・保育士以外への就職者が二千百九十四人、大学院等への進学者が一千百三十人、未就職者も七百六十二人いる。

 卒業者数から大学院等への進学者と保育士への就職者を除いた場合の教員就職率は六八・七%で、前年より〇・三ポイント減少。

教員就職率(卒業者から進学者と保育士を除く)が高い大学は、鳴門教育大学が八九・一%で前年に続き第一位となり、以下、兵庫教育大学八五・九%、上越教育大学八四・九%、和歌山大学八三・二%、金沢大学八一・〇%と続いた。低い大学は、岩手大学三七・九%、鹿児島大学四二・二%、山梨大学四四・二%、宮城教育大学四八・一%など。道教育大学は五八・六%で前年を〇・六ポイント下回った。

また、教職大学院二十五校の修了者総数は七百五十二人。うち、現職教員の学生を除く修了者は四百十六人で、その九一・六%(前年比二・八ポイント減)、前年より二十二人少ない三百八十一人が教員に就職。内訳は、正規採用が四十六人減の二百五十一人、臨時的任用が二十四人増の百三十人となっている。

( 2016-02-04付)