26年度職場体験・インターンシップ実施状況等調査―国研 道内公立高校実施率は92.8%に 事前指導でマナー、目的の確認など重視
( 2016-02-09付)

 国立教育政策研究所は、二十六年度職場体験・インターンシップ実施状況等調査結果をまとめた。全国の公立高校(全日制・定時制)におけるインターンシップの実施率は七九・三%だった一方で、道内の公立高校では九二・八%と、全国の割合を大幅に上回った。全国の公立中学校の職場体験の実施率九八・四%に対し、道内の中学校は九九・二%だった。今回調査から加えた「事前指導で重視していること」をみると、高校では「マナー指導」「インターンシップの目的を確認する全体指導」と回答した学校が多かった。

 調査は、全国の国・公・私立の中学校・高校を対象に、二十六年度の中学校職場体験および高校インターンシップの実施状況を二十七年七月現在で取りまとめたもの。職場体験やインターンシップを一過性のもので終わらせるのではなく、体験活動の一層の充実を図る観点を重視。事前指導や事後指導、実施日数等について新たな設問を追加するなど、調査票を変更して行った。

 全国の公立高校(全日制・定時制)における学科別集計において、「在学中に一回でも体験した生徒の割合」は、前年度より四・六ポイント高い三五・〇%と過去最高だった。普通科は二一・五%(三・四ポイント増)、職業に関する学科は六九・五%(五・九ポイント増)となった。一方で、実施した学校を示す実施率は、前年度より一・五ポイント低い七九・三%だった。

 新規設問である「実施日数」「事前・事後指導」に関する項目のうち、「実施日数を増やしたい」と回答した学校の割合は七・九%、「そのままでよい」が九〇・〇%、「減らしたい」が二・一%。減らしたい理由では、「時間・日数の確保が困難なため」が二六・八%だった。

 事前指導にかける時間については、「一~五時間」が六六・六%、事後指導も「一~五時間」が六九・六%と多かった。事前指導の内容で重視していることは、「マナー指導」(三五・五%)、「目的を確認する全体指導」(三三・八%)、「目的を個人で考えさせる指導」(二二・四%)が多かった。

 事後指導の内容で重視しているものでは、「目的が達成できたかを個人で考えさせる指導」(三三・九%)、「報告書、レポートの作成」(二九・五%)の順に多かった。

 道内の高校の実施率をみると、九二・八%と全国より一三・五ポイント上回った(札幌市立高校八校の実施率は一〇〇%)。インターンシップの事前指導の平均時間は、一年生で三・二時間、二年生で四・八時間、三年生で三・九時間。事後指導は一年生から順に、二・八時間、三・七時間、二・八時間だった。

 道教委高校教育課では、「インターンシップは就職する生徒のみに必要という間違った教職員の意識は変わってきているが、依然として普通科の生徒の実施率に課題がみられる。体験を通して働くことを理解することは大切であり、効果を高めるために事前・事後指導を重視してほしい」と期待している。

◆道内中学校の実施率99・2%

 全国の公立中学校における職場体験の実施率は前年度より〇・二ポイント減の九八・四%。事前指導の時間は主たる学年で「六~十時間」が四八・一%と多く、事後指導は「一~五時間」(五九・五%)が最も多かった。

 「今後は日数を増やしたい」は五・三%、「そのままでよい」は九〇・七%、「日数を減らしたい」は四・〇%で、減らしたい理由は「事業所から負担が大きいと言われているため」(三七・八%)、「時間・日数の確保が困難」(三六・八%)などだった。

 道内の中学校の実施率は前年度より一・三ポイント増の九九・二%と全国を上回った。うち五日以上実施しているのは五校だった。

( 2016-02-09付)