千歳市教委の30年度教育行政執行方針 北陽小分離新設校建設を検討 外国語指導助手の配置拡充(市町村 2018-03-07付)
千歳市教委・宮崎肇教育長
千歳市教委の宮崎肇教育長は一日、第一回定例市議会で三十年度教育行政執行方針を説明した。教育環境の整備として、北陽小学校の児童数増加による過大規模校の課題解消を図るため、分離新設校の建設に向けた検討を進めていくほか、外国語活動の充実や教員の指導力向上を目的に、外国語指導助手や校内研修の実施の配置拡充を図るなどの考えを示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼ふるさと千歳への感謝と希望を育てる
▽学年・学級経営
子どもたちの学校生活における意欲や満足度を測るハイパーQ―U検査を実施し、教員による日常の観察と併せて検査結果を活用し、望ましい学習集団の形成につなげる。
▽教育相談の体制
不登校やいじめなど、生徒指導上の課題に対応するため、スクールカウンセラーや心の教室相談員などを配置し、きめ細かな対応を図る。
▽いじめ問題
児童生徒一人ひとりが元気で明るく学び、健やかに成長していくことができるよう、学校やいじめ問題等対策連絡協議会と連携し、いじめの未然防止、早期発見などに取り組む。
▽不登校対策
教職員とスクールソーシャルワーカーなどが情報の共通理解を図り、組織的に不登校の未然防止や早期解消に努めるほか、適応指導教室「おあしす」での集団生活における適応能力の向上を図るなど、不登校児童生徒の一日も早い学校復帰に取り組む。
▽学校施設
安全・安心な教育環境を確保するため、校舎の外壁や屋根の改修、児童生徒用トイレの洋式化などを計画的に実施する。
また、北陽小学校については、児童数増加による過大規模校の課題解消を図るため、早急に分離新設校の建設に向けた具体的な検討を進める。
▽防災・安全教育
子どもたちを自然災害や交通事故、犯罪被害などの突発的に発生する危険などから守り、自ら危険を回避する力を育てるため、災害発生を想定した避難訓練や保護者への引渡し訓練などを実施する。
▽就学支援の充実
保護者の経済的負担の軽減を図るため、入学年度前に新入学児童生徒学用品費を支給するほか、給付型奨学金の交付など、必要な支援を行う。
▽家庭の教育力の向上
本市の子どもたちの家庭学習の時間が少ないことや、インターネットを使用する時間が長いなどの状況を踏まえ、千歳市PTA連合会と協働し、各単位PTAへの普及啓発を行うなど、規則正しい生活習慣や学習習慣の定着に取り組む。
▽地域の教育力の向上
学校の教育目標や方針、学校がもつ課題などを家庭や地域に発信するほか、学校行事などでの交流を通じて、学校と地域が相互に理解を深め、連携して子どもたちの教育を進める体制の充実を図る。
▽コミュニティ・スクールの推進
調査研究指定校の三校において、順次コミュニティ・スクール活動を展開するとともに、引き続き、全小・中学校への導入に向けた取組を進める。
▽子どもたちの安全・安心
児童生徒を犯罪や事故から守り、登下校などの安全を確保するため、市提案型協働事業による子ども110番の家の拡充を図るとともに、校区ごとの安全マップを作成し、全児童に配布する。
▼国際都市千歳にふさわしいグローバルな感覚を育てる
▽開かれた学校づくり
ホームページ、教育委員会だより『からふる』などを通じて、各学校の様子や行事を積極的に発信するとともに、保護者や地域の意見を生かした学校運営を推進する。
▽教員の資質・能力の向上
学校指導訪問を通じて授業改善の指導助言を行うとともに、指導力の向上に資する各種研修を開催する。
▽学校間の連携
義務教育九年間を見通した系統的な教育活動や、小・中学校の円滑な接続を図るため小中連携・一貫教育推進基本方針に基づき、モデル校区を指定して調査研究に取り組む。
▽ICT教育
教員のICT機器活用能力の向上を図るため、各学校における校内研修のほか、千歳市教育振興会と連携し、長期休業期間を利用した研修を実施する。
▽環境教育
千歳川や支笏湖などの身近な自然環境を学ぶとともに、節電やごみの分別、リサイクル活動など、自然や資源を守る教育を推進する。
▽外国語教育
外国語活動を小学校全学年で実施するとともに、次期学習指導要領の本格実施に向け、移行期における授業時数の確保を図るほか、小学校外国語活動巡回指導教員研修事業の実施など、教員の指導力向上に取り組む。
▽国際理解教育
外国の文化にふれ合う機会を充実するとともに、姉妹都市・アンカレジ市サンドレイク小学校、ミアーズ中学校との相互交流を通じて、積極的にコミュニケーションを図る取組を支援する。
▼知的な探究心をもち積極的に行動する力を育てる
▽確かな学力
習熟度別少人数指導の一層の取組を進めるため、学習支援員を増員するとともに、ICT機器の活用や授業改善の取組など、学習指導の充実を図る。
▽道徳教育
三十年度から小学校で特別の教科として本格実施されることから、教員の授業力向上に取り組むとともに、参観日における授業公開や人権教室の開催など、家庭や地域と連携した道徳教育を推進する。
▽読書活動
ちとせっ子読書プランを推進するほか、全小・中学校に配置している学校司書を増員し、読書相談や調べ学習でのアドバイスなど、学校図書館の充実を図る。
▽体験的な活動
千歳アクティブスクール事業などにおいて、地域の自然や人材などを活用した体験活動を行うとともに、職場体験や就業体験などのキャリア教育などを実施する。
▽体力・運動能力
全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果において、児童生徒の体力の向上がみられており、今後も、実践指定校の取組と併せて、体育授業の改善や運動習慣の定着に向けた取組を進める。
▽学校給食
安全・安心で、よりおいしい給食を提供するため、新しい献立の追加や味付けを工夫するなど、学校給食の改善に努める。
▽新学校給食センターの整備
整備手法などの調査結果を踏まえ、関係者の意見も聴きながら、あらためて整備の内容や時期について検討する。
▽健康教育
栄養教諭による食育指導を進めるとともに、外部講師による薬物乱用防止教室を開催するほか、子どもたちの虫歯予防を図るため、全小学校でフッ化物洗口を実施する。
▽特別支援教育
学習や生活面の支援を行う特別支援教育支援員を増員するとともに、児童生徒の生活全般を支援する児童生徒ヘルパーや、医療的ケアを行う学校看護師を配置するなど、より細かな支援を行う。
(市町村 2018-03-07付)
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