松前町３１年度教育行政執行方針　松前高で看護講座　松前っ子３リズム定着を

（市町村 2019-03-08付）

松前町教委・宮島武司教育長

　【函館発】松前町教委の宮島武司教育長は、四日開会の第一回定例町議会で三十一年度教育行政執行方針を説明した。学力向上対策委員会のアクションプランに基づき、「教師の授業力向上と松前っ子3リズムの定着を柱に基礎学力の向上に取り組む」と表明。また、松前高校では、看護学校への進学を希望する生徒への対応として、看護講座を新たに開設する方針を示した。このほか、小・中学校四校による小中一貫教育や小・中・高を通した書道教育に取り組んでいく。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

　子どもたちには、ふるさとに誇りをもち、互いに支え合いながら、生涯にわたって、生き抜く力を身に付けさせることが教育の使命であり、教育に携わるすべての関係者が、それぞれの果たすべき役割と責務を自覚し、子どもたちが新たな時代に対応できる、「知・徳・体」の調和のとれた成長を遂げていけるよう、子どもたちの「生きる力」を地域全体で育んでいく必要がある。

　そのために、三十年度から町内全小・中学校、地域住民と保護者が一体となって学校運営に取り組む学校運営協議会を設置し、現在の三小学校と一中学校を維持しつつ、四校の教職員が一体となって小中九年間の一貫した教育活動を行うため、小中一貫教育制度をスタートさせた。

　学力向上については、引き続き学力向上対策委員会が策定したアクションプランに基づき、教師の授業力向上と生活リズムの改善による、松前っ子3リズムの完全定着を柱に基礎学力の向上に取り組んでいく。併せて、習熟度の低い子どもへの個別支援のための学習支援員や、障がいのある子どもの学習や学校生活をサポートする特別支援教育支援員を引き続き学校に配置していく。

　また、学習指導要領の改訂によって三十二年度から小学校の五・六年生に外国語科、三・四年生には外国語活動が導入されるため、先行して三十年度から整備したＡＬＴ（外国語指導助手）の二人体制を維持し、中学校英語への円滑な移行を図っていく。併せて、小中学校で実施している漢字能力検定ならびに実用英語技能検定の検定料を無料とし、子どもたちの学びの習慣と学習意欲の向上を図る。さらに、全小・中学校に整備されているＩＣＴ機器を活用した学習環境を維持するため、転入教職員へのＩＣＴ教育研修の充実を図っていく。

　書道教育については、小中一貫教育制度の導入によって、書道を軸となる教科として組み入れ、書道教育推進会議や松前高校と連携し、小・中・高を通した書の日常化を進める。

　スタートから七年目となる、ふるさと学習については、ふるさと読本を活用した授業を推進するとともに、ふるさと学習応援団の協力を受けがら、町の自然や歴史の学習および産業などの体験や町民との交流を実践し、郷土を愛する心を育てることのできる町独自の学習を進めていく。

　また、児童生徒の体力向上では、学校ごとに目標を設定し、体育授業のほか、休み時間などを利用した「なわとび」などの定着を図り、体力および運動能力の向上を図る。併せて、現在実施している生徒の各種検診のうち、引き続きピロリ菌検査を二次検査まで無料とし、生徒の健康増進と保護者の負担軽減を図る。

　松前高校から看護学校への進学を希望する生徒に対し、新たに看護講座を開設するとともに、就職、進学のための模擬試験に要する経費に対する補助を行い、保護者の負担軽減と松前高校の魅力ある学校づくりを支援していく。

【社会教育】

　家庭教育を高めるためには子育てや家庭教育をサポートする必要がある。保護者対象の「子育て応援セミナー」開催や、未就学児の親子が集える場所の環境整備に取り組む。

　地域の自然を生かした自然体験学習については、豊かな心や郷土愛を育む貴重な事業であり、多様化した社会へ対応できる人づくりを目指し、強く、やさしく、大きな心を育むことを目標に取り組む。

(市町村 2019-03-08付)