津別町３１年度教育行政執行方針　新たに学校巡回司書　公設塾を通年開設へ移行

（市町村 2019-03-12付）

津別町教委・宮管玲教育長

　【網走発】津別町教委の宮管玲教育長は、五日開会の町議会第三回定例会で三十一年度教育行政執行方針を説明した。高校生を対象に長期休業中開設している公設塾について、本年度中に通年開設に移行する考えを示した。また、読書活動の充実に向け、新たに学校巡回司書職員を配置するほか、学校図書室と中央公民館図書室のネットワーク化をはじめとする学校図書室の環境整備に着手する方針を明らかにした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼社会で活きる力を育む教育の推進

　「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善に取り組む体制づくりを支援するため、引き続き、教材教具や図書環境の整備をはじめ、小学校では一学級の人数分のタブレット端末の整備、中学校では大型テレビやパソコン教室の機器更新といったＩＣＴ環境の整備を推進する。

　特別支援教育については、一人ひとりの支援ニーズに応えるため引き続き小学校に六人、中学校に一人の支援員を配置し、長所を伸ばす多様な自立活動や学習活動を支援する。また、各学校間はもとより、学校と家庭、地域、関係機関などが長期的な視点で連携して取り組む体制づくりを推進する。

　外国語（英語）教育については、小学校で引き続きすべての外国語の時間にＡＬＴを派遣し、担任とのチーム・ティーチングによる指導の充実や新学習指導要領への対応を支援する。中学生の台湾彰化県二水國民中学校との相互交流事業や高校生のニュージーランド派遣事業によって、語学力向上だけでなく、国際理解や友好親善を深める機会を充実させる。

▼豊かな人間性を育む教育の推進

　「考え、議論する道徳」の実現に向け、教科書を使用する基本的な指導過程を踏まえた授業づくりや学校の教育活動全体を通じた道徳教育の推進を支援する。

　読書活動については、学校図書室の蔵書充実、小学生・中学生新聞の配置、読書ノートの取組等を継続するとともに、新規に学校巡回司書職員を配置し、学校図書室と中央公民館図書室とのネットワーク化をはじめ、学校図書室の読書環境整備に着手する。

▼健やかな体を育む教育の推進

　昨年度から小学校に道費で定数のほかに配置されている体育専科教諭と連携し、コーディネーショントレーニングの指導をはじめ、学校における体育授業の改善および体力向上の取組を支援する。

▼学びをつなぐ学校づくりの実現

　町校長会や教頭会と連携し、中学校教諭の小学校六年生への乗り入れ授業や小学校低学年と園児との交流活動をさらに充実させるとともに、町学校教育振興協議会や特別支援連携協議会といった既存の教職員研修組織の活性化を図り、各学校間の連携を促進する。

　津別高校については、津別高校振興対策協議会と連携し、教科書や制服購入費、各種検定料の補助、国公立大学入学一時金の給付等の各種支援を継続する。さらに、公設民営塾については、参加生徒の学習意欲や学力の向上に有効であり、本年度中に通年開設に移行する。

　学校運営の改善については、学校における働き方改革「北海道アクションプラン」を踏まえて、教職員一人ひとりの業務改善、校務支援システムの積極的な活用、部活動休養日の実施、学校閉庁日の取組など、学校運営体制の改善・整備を推進する。

▼学びを支える家庭や地域との連携・協働の推進

　コミュニティ・スクール導入に向けての計画を推進し、地域の教育力を生かし未来を担う子どもたちの学びや体験を充実させる特色ある学校づくりを支援する。

▼学びを活かす地域社会の実現

　中央公民館図書室については、道立図書館の支援のもと、古い蔵書を整理しながら空間の創出やレイアウトの工夫に努めるとともに、学校と連携した「ヨム日」の奨励や『読書記録通帳』の利用者を増やし、利用の活性化を図る。なお、新図書館の建設に向けて検討委員会を組織し、本との出会いと学びがあり、町民の居心地のよい場所となるような図書館建設に向けての具体的な検討や協議を推進する。

(市町村 2019-03-12付)