士別市31年度教育行政執行方針 外部資源の活用検討 体験活動 内容を充実・深化
(市町村 2019-03-15付)

士別市教委中峰寿彰
士別市教委・中峰寿彰教育長

 【旭川発】士別市教委の中峰寿彰教育長は三十一年度教育行政執行方針で、道徳の教科化や小学校におけるプログラミング教育の対応について外部資源の活用などを検討するほか、子ども夢トーク、子ども議会、農業学習、ダイハツ工業㈱が実施するものづくり体験教室など、体験活動の充実と深化を図る方針を示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

 道徳の教科化や小学校におけるプログラミング教育の導入に対して、研修の充実を図るとともに、外部資源の活用などについて検討を進める。

 国語や算数・数学などの基礎的な力を着実に育むため、複数の教員がチーム体制で取り組む授業改善や習熟度別の少人数指導などによって、授業力の向上を図る。

 子どもたちの体力・運動能力と教員の指導力を向上するため、昨年、北京オリンピック銀メダリストの高平慎士氏を講師として実施したスポーツ能力向上事業の対象範囲を中学生まで拡大するとともに、小学校における体育専科教員の活用を進める。

 豊かな人間性や生きる力を有する子どもたちの育成に向けては、環境教育や消費者教育をはじめ、一日防災学校などによる防災教育に取り組むほか、非核・平和や人権、男女共同参画などへの理解を深める学習を引き続き推進する。

 体験的な活動としては、子どもたちの夢や思いを意見・提言として発表する場である子ども夢トーク、子ども議会を実施するほか、地域資源を生かした学びの実践である農業学習の充実と学習の深化を図る。

 表現力の向上などに寄与するサンライズホールのアウトリーチ事業を継続実施する。

 ダイハツ工業㈱が実施しているものづくり体験教室については、小学校の社会科における自動車産業を体験的に学ぶプログラムとして極めて価値の高いものであり、三十一年度も全校を対象に実施する。

 キャリア教育の役割と土曜日の有意義な過ごし方を提供する土曜子ども文化村事業については、職業体験、文化芸術体験、自然活動や郷土の歴史を学ぶ体験の三本柱とし、引き続き地域の方々の協力を得ながら、より充実した内容に再構成する。

 中学校部活動については、部活動拠点校方式を試行的に取り入れるところであり、運用後も必要な見直しを行うとともに、休養日の設定などを規定するガイドラインに沿った対応や今後の中体連の在り方を見据えた取組についての検討を進める。

 学校給食においては、地元食材への興味・関心や地域への理解を深める機会となるふるさと給食について、アスリート食を含め内容の充実を図るとともに、新たに幼稚園や認可外保育園などへの提供を進める。また、食材費高騰に伴う対応についての検討を進める。

 三十二年三月での閉校を方針決定している多寄中学校については、引き続き学校や保護者との協議を重ね、士別中学校への通学に対する不安の解消と円滑な移行に向けた準備を進める。

 多寄中閉校に伴い、新たな特認校として上士別中学校を指定するとともに、今後の児童生徒数の減少に伴う教職員定数の減が見込まれる中で、より質の高い教育の提供を展望し得る小中連携について調査研究を進める。

 特別支援教育については、児童生徒個々の状況に応じた細やかな支援を一層充実するよう努めるとともに、知的発達に遅れはないものの、文字の読み・書きなどに困難が認められる児童に対しては、早期の段階からの支援を基本に、ICT機器も活用した専門的対応の拡充を図る。

 高校教育にかかわっては、移行支援の役割を果たす高校教育の実践校として、士別東高校の存在意義が一層高まっている中、引き続き生徒個々に応じた教育、キャリア教育の充実を図るほか、台湾への見学旅行による国際理解の機会づくりなど、特徴的な教育を進め、今後の在り方も展望しつつ、より魅力ある学校づくりに努める。

▼教育・学習環境の整備

 コミュニティ・スクールについては、昨年四月に上士別・多寄・温根別・朝日の四地区で導入したところであり、四月から中央市街地でもスタートすることによって、市内全域でその体制が整うことになる。

 学校における働き方改革については、アクションプランを踏まえ、校務支援システムの導入などのほか、支援員や相談員、事務生を含めたチーム学校としての連携協同の推進について、校長会などとの協議のもとに取り組む。

 学校の施設・設備に関しては、ICT環境の確立に向けて、中央市街地四校の無線LAN設備を整備する。

(市町村 2019-03-15付)

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