八雲町 6年度教育行政執行方針 誰も取り残さない学び 木彫り熊100周年講座開催( 2024-04-11付)
土井教育長
【函館発】八雲町教委の土井寿彦教育長は6年度教育行政執行方針において、子どもたち一人ひとりの「自立」「協働」「創造」の育成を目指し、誰一人取り残すことのない学びの実現を一歩一歩進めるとともに、町の教育理念の具現化を図っていくとした。6年度は木彫り熊発祥100周年を迎えるため、各種講座の開催や情報発信に努めていくとした。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼自他を認め持続可能な社会の創り手を育む教育活動の展開
地域社会と連携・協働しながら、組織的かつ計画的に教育活動の質の向上を図っていく「カリキュラム・マネジメント」を実践できるよう支援していく。
町の子どもたちの課題である、文の構造や文章・図表の内容を正しく理解し、既存の知識と新しく得た知識から論理的に判断したり、表現したりすることができる力である「汎用的読解力」を育む視点で、全ての小・中学校において共通実践事項である「八雲スタイル」を確立し、授業改善を推進する。
1人1台の学習用端末の活用を促進し、子どもたちの個性や学習状況に応じた「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に実現するとともに、中学校において生徒自らの興味・関心に基づく創意工夫を生かした探究的な学習に取り組んでいく。
また、不登校児童生徒への学習支援と学校復帰への意欲の向上に向けて学習用端末を活用したりするなど、一人ひとりの学びを保障しつつ、質を高めていく。
外国語教育については、ALT(外国語指導助手)を継続して複数配置し、豊かな国際感覚が育まれるよう支援する。校長会、教頭会と緊密に連携を図りながら、最前線で教育活動を担う教員の実践的な指導力を高める研修を積極的に推進していく。
▼小中一貫型コミュニティ・スクールの充実
学校運営協議会の代表で構成する「町コミュニティ・スクール連絡協議会」を通じて、取組の成果や課題を共有したり、町内に広く周知したりすることによって、参画する保護者や地域住民の意識の高揚に努めていく。
小学校と中学校を円滑に接続する教育課程を編成するとともに、系統性・連続性を踏まえた学習指導による確実な学習内容の定着を一層図っていく。
▼誰一人取り残すことのない教育の充実
町が独自に導入している、八雲小学校の低学年における25人編制の少人数学級指導によって、極めて重要な小学校低学年段階の教育環境を整え、心身の発達を含めた知・徳・体の全てにわたる義務教育期間の基盤を確かなものにし、望ましい生活習慣の確立や学力向上など、一人ひとりの状況に応じたきめ細かな教育を推進する。
「いじめ」や「不登校」など、子どもたちを取り巻く様々な問題については、これまで取り組んできた教育相談やスクールカウンセラーの活動に加え、前年度から実施しているピア・サポート事業を全ての小・中学校に拡充し、子どもたちの助け合いや支え合いの気持ちをより高め、自己有用感を育み、子どもたちの心身の健全な育成を推進していく。
特別支援教育においては、個々の教育的ニーズに応じた支援を行うため、特別支援教育支援員を適切に配置し、発達障がい等の特別な支援が必要な児童生徒の進級・進学に向け、関係部署との連携のもと、継続した支援や適切な教育環境の確保に努めていく。
「特別支援教育連携協議会」の開催によって、特別支援の諸課題の解決方向や卒業後も見据えた継続的な支援体制の構築について議論を進めるとともに、各校に出向いて行う発達障がい等の理解や家庭支援のための研修を引き続き実施していく。
子どもたちが食に関する正しい知識や望ましい食習慣を身に付けるとともに、食を通じて郷土への理解を深めることができるよう取り組んでいく。
食物アレルギーを有する子どもには、引き続き「町立学校における食物アレルギー対応指針」等に基づき、対応食を調理し提供していく。
平成30年度から実施している学校給食費無償化は、保護者負担を軽減し、安心して子育てができる環境の充実を図る重要な支援策であることから、引き続き実施していく。
▼安全・安心な教育環境づくりの推進
児童生徒の安全確保は、信頼される学校づくりの基盤であり、学校においては、危機管理マニュアルの点検・見直しや防犯・防災教室などの取組を、関係機関や地域の協力を得て計画的に実施し、地震や津波等の災害発生の際に適切な行動ができるように備えていく。
学校の施設・設備については、全小・中学校の普通教室へのエアコン設置を推進し、児童生徒の健康面の安全と教育環境の充実に取り組むとともに、教職員住宅についても、適切な保守管理に努めていく。
▼町民自らが主体的に学び行動する生涯学習社会の実現
町の文化財については、木彫り熊発祥100周年記念事業に町民と連携して取り組むとともに、様々な文化財の適切な保存・活用を通じて、郷土への愛着や誇りを育み、歴史文化への関心と理解がより深まるよう、各種講座の開催や情報発信に努めていく。
( 2024-04-11付)