十勝いじめ問題等対策連絡協議会　子が安心できる居場所を　学校・家庭・地域等で意見交換

（関係団体 2024-05-24付）

管内いじめ問題等対策連絡協議会

　【帯広発】６年度第１回十勝管内地域いじめ問題等対策連絡協議会が１５日、幕別町内の十勝教育研修センターで開かれた。教育関係者や保護者ら約２０人が出席。協議等を通して、学校・家庭・地域等が一体となった、いじめや不登校への対策を検討した。

　十勝教育局の新山知邦局長は「管内の子どもたちや関係機関等の現状や課題等について情報や意見をいただき、実効性のある取組につなげたい」と述べた。

　続いて、管内のいじめ問題の現状、教育局や学校等の取組を説明した。昨年１１月末に行った調査結果で、いじめの認知件数が大幅に増加したことから「学校が児童生徒のささいな変化・兆候を見逃さず、適切に対応した」と解説。「いじめはどんな理由があっても許されない」と回答した児童生徒の割合も増加し「いじめに対する正しい理解が促進された」と示した。

　また、小学校４年生から６年間の追跡調査を行ったデータをもとに「行動レベルで“いじめはしない”という意識を、学校や家庭で日常から身に付ける必要がある」と説明。児童生徒同士による事例検討、いじめ場面のロールプレイなど、体験的な学びの充実を図る重要性を説いた。

　不登校児童生徒数に関しては、小・中学校で大幅に増加しているものの、９割近くが学校内外の機関等で相談・指導を受けていることを示した。全ての児童生徒が、安全・安心で楽しいと実感できる魅力ある学校づくりや、不登校児童生徒が実態に応じた学びや支援にアクセスできる適切な支援を進める必要性を伝えた。

　現状や課題を踏まえ、６年度のテーマを「児童生徒が安心して過ごせる居場所～いじめを見逃さない、学びや支援にアクセス」と設定。「学校を、多様な“思いやりのある大人”たちの連携・協働の場に」と呼びかけた。

　続いて、道教委生徒指導・学校安全課の柳沼慶祐主査が、不登校対策に関する国や道の動向を説明した。全国の調査結果で「無気力・不安」を原因とする児童生徒が多い傾向から、そのきっかけを探ることの重要性を指摘。「社会に応じて子どもが変わる中、学校が変わる必要がある」とし、ＨＯＫＫＡＩＤＯ不登校対策プランの概要を説いた。

　協議では、教育関係者から「集団不適応の子どもが増加傾向にある。共感的指導を心がけ、学校と保護者が同じ目線に立って支援していきたい」「子どもを取り巻く社会や大人が自らの行動を考える必要がある」などの意見が上がった。

　社会教育施設の関係者は「特別活動等の企画時、多様性を認め、他者と関わる活動を要望する学校が多い」と説明。学校や友人関係に不安を抱える子どもに対し「その瞬間だけでも、その子の力になる活動を進められたら」と話した。

　保護者は「ＳＮＳを通じて、世間のマイナス面を子どもが目にする機会が多いと感じる」「親の言動が子どもに影響を与えやすい」とし「子どもの見本になる大人、親を目指してＰＴＡ活動を進めたい」と伝えた。

(関係団体 2024-05-24付)