別海町6年度教育行政執行方針 在校等時間分析踏まえ 新たな取組展開 校舎一体型義務教育設立へ
( 2024-07-05付)

別海町教育長相澤要
相澤教育長

 【釧路発】別海町教委の相澤要教育長は6年度教育行政執行方針において、子どもたちに効果的な教育活動を展開するために教職員の働き方改革を推進するべく、在校等時間の分析結果をもとに検討した実効性のある取組を新たに実施するほか、学校閉庁日の拡充などの取組を継続実施することとした。

 このほか、校舎の老朽化状況を踏まえるとともに、小中一貫教育の推進に向けて中央地区における校舎一体型の義務教育学校設立を目指して、基本構想を策定し検討・準備を進めていく。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▽生涯にわたり学ぶ社会教育の推進

 学びの木を生涯学習のよりどころとして、次代に即応した学びの木の見直しや活用に係る調査研究を生涯教育研究所において取り組んでいく。

 さらに、各公民館で実施する小学生を対象とした「アドベンチャースクール」をはじめとする「青少年事業」「寿大学」などの各種講座・教室を通じて、学社連携のもと、世代を問わない自立と共創を目指す学習プログラムの充実を図る。

 学校図書室については、学校図書室向けの団体貸し出しや授業で使用する資料の貸し出し「わくわく読書会」などの学校訪問事業を実施する。

 このほか、移動図書館車の運行や上西春別中学校に設置している「地域開放型図書館」の充実に努めるとともに、町内読み聞かせ団体の交流を図るなど読書環境を整備する。

▽生きる力を育む学校教育の充実

 「地域の子どもは地域で育てる」という意識のもとコミュニティ・スクールの取組を充実させながら、町を愛する心を基盤に、自分の未来とふるさとの未来の在り方を考える子どもを育てるふるさとキャリア教育を推進する。

 また、子どもたちの健康への配慮や学びの機会を確保するため、各学校の普通教室、特別支援教室などにエアコンを設置する。

 「町生きる力アッププロジェクト事業」については、ふるさとキャリア教育の充実や教師力の向上による授業改革を目指して、引き続き秋田県大館市に教職員を派遣する。

 学びの土台づくりとして「町ビブリオバトル」を核とした読書活動を推進するとともに、「町新聞の日」には、児童生徒一人ひとりに新聞を配布するなど、新聞や新聞を素材としたデジタル教材を積極的に活用し、読解力を中心とした子どもたちの資質・能力を高める取組を継続する。

 授業や家庭学習などの場面において、プログラミング教育や遠隔授業を推進し、個別最適な学びと協働的な学びの幅を広げていくことにより、子どもたちが正しい情報を選択して適切に活用できる能力を身に付けさせるため「別海版GIGAスクール構想」をさらに充実させる。

 通級指導教室の充実を図り、個々の特性に応じた教育の実現を目指し、学びの多様化に応じるインクルーシブな環境を推進し、個々のニーズに合わせた支援を提供する。また、現状の特別支援教育支援員の規模を維持した支援を行う。

 別海中央小学校と中央中学校は建設から40年以上が経過し老朽化が進行。近い将来大規模改修が必要となる状況を踏まえるとともに、異学年交流など多様な人間関係の形成が期待される小中一貫教育を一層推進するため、中央地区における校舎一体型の義務教育学校設立に向けて、6年度は基本構想を策定し、検討・準備を進めていく。

 学校給食センターでは、子育て支援として、小・中学校の児童生徒の給食費を無償化し、子どもたちが将来を通じて、健全な食生活を実践できるための「食育」を、各学校と連携し進めるとともに、郷土の食材や食文化への関心を高めるため、地産地消にも努めながら安全な学校給食の提供を行う。

 子どもたちに対して効果的な教育活動を行うために、学校における教職員の働き方改革を推進する。学校閉庁日の拡充や部活動休養日の完全実施等の取組を継続実施するほか、在校等時間の分析結果をもとに検討した実効性のある新たな取組を実施する。

▽郷土愛と社会性を育む青少年の健全育成

 発達段階に応じた情報リテラシーの育成を目的に、町独自のメディアコントロールシートを活用。子どもやその家族が、主体的にメディアとの付き合い方を考える取組を進める。

 貴重な文化財について、幅広く把握し、保存活用の方針を具体化・具現化するため「町文化財保存活用地域計画」を策定する。

▽活力に満ちた地域をつくるスポーツの振興

 町パイロットマラソンについて、小学1~3年生を対象とした保護者と一緒に参加できる新たなカテゴリーを設定し、今まで以上に多くの町民が参加できる大会を目指していく。

( 2024-07-05付)