校長会長インタビュー 第3回 日高地区校長会会長 小嶋 範彦氏 第3回 日高の子どもと先生たちのために( 2024-07-08付)
日高地区校長会・小嶋範彦会長
―会長就任に当たっての抱負
日高町で生まれ育ち、教員生活を日高管内で35年過ごしてきた。現任校は長男が入学した学校であり、保護者には多くの教え子がいる。日高の子どもたちのために、自分ができる精いっぱいのことをしたいという思いを強く持ち続けている。日高地区校長会は、定期的な理事研修会や研修部長研修会などで小まめな情報交流を行い、3回の全体研修会等を通して、管内教育課題の解明・解消と校長としての職能向上に努めている。
―管内の教育の特色、課題と対応
日高管内は北海道の中央南西部に位置し、横に長く、広大な太平洋と日高山脈に囲まれた自然豊かな地域である。こうした地の利を生かした特色ある教育活動が各校で行われている。しかしながら、人口減少によって学校の統廃合が進んでいる。令和5年度は小学校2校が閉校となり小・中学校を合わせて37校となった。日高地区校長会は、日高の課題である「学力向上」と「組織力向上」を研修活動の柱として取り組んでいる。
―信頼される学校づくりに向けて
地域に開かれ信頼される学校を実現するため、学校には、保護者や地域住民の意見や要望を的確に反映させ、家庭や地域社会と連携・協力していくことが求められている。それと同時に学校が、保護者や地域住民の参画しやすい環境を整え、開かれた学校づくりを促進していくことが重要である。
管内においては、全ての学校や地域でコミュニティ・スクールが設置されているが、その運用については学校に任されている状況が多く、本来的な役割は十分果たされていない。自治体や教育委員会の積極的な関与が求められる。
学校が信頼されるためには、教職員による不祥事は絶対にあってはならない。管内においては5年度、わいせつ事故と体罰による懲戒処分があった。コンプライアンスの順守のためには「日常的に」「繰り返し」「粘り強く」「主体的に」取組を行うことが重要である。また、複数名での指導体制の構築や教職員同士が互いに話し合い、協力できる職場づくりに努めるなど、組織的に支援を行う体制づくりを進めていくことが必要である。
―教職員の人材育成に対する校長会の対応
これからの教職員に必要とされる力は、教科指導・生徒指導・学級経営能力に加え、危機管理能力や保護者への対応力等を含めた総合的な教師力である。
加えて、教職に対する強い情熱を持ち、教師として確かな力量を身に付けたいと学び続ける姿勢が大切である。教職員の資質・能力の向上は、学校での校内研修が基盤となる。管内においてもその充実に力を注いでいる。
学校が進める校内研修と相まって、校外での研修機会を充実させていくことも大きな課題である。その点においては「日高教育研究所・教職員研修センター」が一定の役割を果たしている。研究実践を行う研究部門と教育関係団体と連携した研修講座を実施する研修部門からなり、校長を会長とする12の研究団体があり、研修講座を開催している。
日高地区校長会としては、教職員の資質向上のための研修活動を学校経営上の重要課題として位置付け取組を進めている。会員が積極的に情報発信や情報交換、参加体制への支援協力等を行っている。
―教育信条
教員としてスタートした時から、教室にはいつも「一人はみんなのため、みんなは一人のために」を学級スローガンとして掲示し、学級づくりの根幹としていた。管理職になり2、3年で異動することから「置かれた場所で咲きなさい」、この学校に来たことには意味があると思うようにしている。4月に現任校に異動し、ここに置かれた意味を模索中である。
( 2024-07-08付)