オホーツク局 ICT活用協議会 課題解決へ好事例共有 北見高栄小など3校が実践発表
( 2024-09-18付)

オホーツク教育局ICT活用管内協議会
オホーツク教育局ICT活用管内協議会

 【網走発】オホーツク教育局は10日、ICTを活用した学びのDX事業「ICT活用管内協議会」をオンライン開催した。管内の教職員ら約80人が参加。北見市立高栄小学校、津別町立津別中学校、北見商業高校がそれぞれ自校の取組について実践発表し、優れた取組を共有するなど、課題を確認した。

 協議会は、各地域や学校の実態に応じた効果的なICT活用の推進に向け、好事例やICT活用に関する課題および解決策について協議するとともに、管内外における先進的な取組を共有することによって各学校におけるICT活用の充実を図ることを目的としている。

 開会に当たり、西埜聡明教育支援課長は「自校はもとより近隣校や地域に本協議会で得られた成果を発信してもらい、管内全ての学校で児童生徒が、ICTを文房具として自由な発想で活用できる環境づくりに向け、組織的・計画的な取組を進めてほしい」と呼びかけた。

 はじめに義務教育指導班の岩渕彩梨紗主任指導主事が、現在の国内のICT活用状況や教育を取り巻く環境の変化を踏まえ、GIGAスクール構想の実現に向けて成果や課題などについて説明した。

 つぎに高栄小、津別中、北見商業高がそれぞれ自校の取組について実践発表。高栄小の野上明宏教諭は月1回15分の自主参加型研修でアーカイブの視聴が可能な「Gカフェ」や長期休業期間を利用したオンライン学習会、教科間で統一されたルーブリックやシンキングサイクルを設定した授業改善など五つの取組を紹介した。「宿題プリントをやめて紙ドリルを全校で採択し、宿題と授業を関連付けてきた。“授業の内容⇔宿題で復習⇔翌日授業で反復”のスタイルはICTと併用することで、従来ドリルでは不足していた学習指導要領の資質・能力を補完することができる」との考えを述べた。

 津別中の門馬祐策教諭は、英語でエクセルを使ったセルフマネジメントシートを活用し、PDCAサイクルを意識させる指導や、体育で評価の仕方や授業の進め方、一人ひとりの授業の振り返りをグーグルサイトで確認できるようにしている同校教諭の取組を紹介。門馬教諭担当の特別支援教育においては、発表が苦手な生徒が、書いた文を読み上げる機能・イマーシブリーダーを用い発表を行うことができたことを説明した。「英語においては授業の準備に時間がかかっていたが、生徒の学習状況を理解する時間が生まれたこと。体育においては内容を後から追加することができること。特別支援教育においては自己肯定感が上がっていき、マイクラカップ全国大会で入賞するに至った」とそれぞれ成果を紹介した。

 北見商業高の中友亮教諭は「デジタルホワイトボードなどが配備され、道内のほかの商業高校の生徒と交流することで、普段交流できない地域の人たちの意見を聞き、新しい発見が生まれている」と成果を述べた一方で「高校の場合は小中と比べ自由度が高くアプリケーションが統一されていない。小中ではロイロノートを使っているのに高校では使っていない場合、小中で積み上げてきた教育が継続されないのではないか」と危惧し「社会に出る子がすぐにICTを使えるような教育をしたい」との考えを述べた。

 このあと協議に移り、自校や地域におけるICT活用の成果と課題および今後の取組について意見交換。各学校における活用法の充実を図った。

( 2024-09-18付)