日高局 第2回管内教育長会議 心身に苦痛 全て“いじめ” 学テ公表は一定の枠組みを( 2024-10-18付)
第2回日高管内教育長会議
日高局 第2回管内教育長会議 心身に苦痛 全て“いじめ” 学テ公表は一定の枠組みを
【苫小牧発】日高教育局は11日、日高合同庁舎で6年度第2回管内教育委員会教育長会議を開催した。管内7町の教育長と共に管内教育推進の重点の達成状況を検証したほか、全国学力・学習状況調査の結果公表の在り方などについて話し合った。中ではいじめの認知について学校間で判断に違いがあることが話題に上がり、教育局では「子どもが心身に苦痛を感じていたら認知を」と徹底を求めた。
開会に当たり、行徳義朗局長があいさつ。「年2回だった当会議を3回とし、年度当初は管内教育推進の重点の説明を、この時期は進捗状況を、年度末は総括を行い次年度に備えたい」と伝えた。
また学校訪問について触れ「子どもたちが素直にまじめに授業に向かっている」と感謝。「これからも学校の頑張りを共有しながら課題解決に努めていきたい」と述べた。
続いて、管内教育推進の重点の達成状況について説明。学力向上については、鈴木晋作義務教育指導監が学校訪問で見てきた授業から良い例、悪い例を具体的に紹介し「質問紙調査の結果をもとにした授業改善を」などと求めた。
生徒指導については、いじめに関し「アンケートで“嫌な思いをした”と30人が回答しているのにいじめの認知がゼロなど、学校によって判断基準が違っている。正しい認知で見逃しゼロを」などと求めた。
ICTの利活用については「学校間格差が広がっている」と懸念を示し、好事例を校長会などで伝えていくこととした。
続いて、全国学力・学習状況調査の結果公表についての道教委の考え方を説明。これまで市町村の結果も道教委が公表していたが、多くの市町村が独自に公表を行っていることから、2次元バーコードでそれらのページに飛べるようにし、道教委では公表を行わない方針であることを示した。
協議では「市町村ごとにどこまで公表するか幅が出る。道民から“多く出している方がいい”と思われると公表作業が膨大になる。ある程度の枠組みがあった方が良いのでは」「学力には各地域の環境もすごく影響する。初任者とベテランではベテランが多い方が学力が高いのは明らかで、そうした影響もあるのに、住民にただ学力が低いと思われるのは困る」「地域によって必要な学力は異なる。必要最低限の公表はいいが、あまりに行き過ぎるのはどうか」といった声が出された。
また、いじめの認知について「少なくても多くても“なぜ多いのか”“なぜ少ないのか”と言われる。判断基準の違いを埋められるものがあれば」との声に、鈴木義務教育指導監は「シンプルに、子どもが心身に苦痛を感じたら認知してほしい。それがいじめの芽であろうが兆候であろうが構わない。けんかだから認知しない、指導が済んでいるので認知しないという例を聞くがこれは良くない。各校長にも意識の違いがあるので、校長会でも具体例を出しながら伝えていきたい」などと述べた。
このあと、その他の事項について説明。鈴木義務教育指導監は学校訪問について「年1回の訪問と詳細な報告書を頂く形になっていたが、1回では十分な役割を果たせない。1学期と2学期に1回ずつとし、書類は半分に簡略化する」と伝えた。
また竹山教育支援課長は管内教育課程研究協議会を来年1月9、10日にオンラインで開催し、国研学力調査官の平山道大氏が講話することを説明。
また免許状を有する教員が確保できない場合、多様なメディアを利用して行うことができる「教科・科目充実型」の遠隔授業について「来年度管内1地域で行う予定」と伝えた。
( 2024-10-18付)