１定札幌市議会代表質問　学校と家庭連携し防止を　いじめ等対策で長岡教育長答弁

（市町村 2016-02-29付）

　札幌市議会第一回定例会代表質問が二十五日、本会議場で開かれた。村松叶啓議員（自民党）と岩崎道郎議員（民主党・市民連合）が登壇し、「いじめ防止等の対策」「主権者教育における政治的中立性」について質疑。板垣昭彦副市長や長岡豊彦教育長が答弁した。

　いじめ防止等の対策について、長岡教育長はいじめられている子どものケアやいじめている子どもの心の背景等をとらえた指導の重要性にふれ、「いじめの実例および対応策を共有するなど学校と家庭がこれまで以上に手を携えたいじめの防止に取り組む」と述べた。村松議員の質問に対する答弁。

　また、子どもの良好な教育環境づくりに向け、「学校がスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門家とこれまで以上に連携を図り、教育相談体制を一層充実することができるよう支援する」と話した。

　長岡教育長は、主権者教育における政治的中立性の問題について、「教員は特定の政党を支持、またはこれに反対するための政治教育などが禁止されていることから、授業等において公正中立な立場で指導すべき」との認識を示した。村松議員の質問に対する答弁。

　政治的中立性が疑われるか逸脱した授業の情報があった場合の対応については、「事実を確認の上、学校長が指導することとなる。教育委員会としても法令等に基づいた適切な学習指導が行われるよう指導するとともに、必要に応じて適切な対応をしたい」と方針を述べた。

　生徒の政治的活動や選挙運動に対しては、「学校教育上の支障が生じる場合は学校長の判断により制限または禁止となる。政治的活動等の状況把握は、学校が保護者や地域と連携して行うことになるが、教育委員会としても学校と情報を共有しながら適切に対応する」と話した。

　教育の情報化について、長岡教育長は「ＩＣＴ環境の整備は、学びを支える環境の充実そのもので、分かる・できる・楽しい授業づくりを進める上で重要な意義をもつ」と説明。「教員の授業用タブレット端末を導入するとともに、研修の充実や効果的な活用事例の共有化などを進めていく」と今後の方針を示した。岩崎議員の質問に対する答弁。

　また、特別支援教育におけるＩＣＴ活用の現状と今後の支援策について、「本年度からタブレット端末を特別支援学級に試験導入し、その教育効果を確認している」と述べたほか、「ＩＣＴの活用は児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに対応した支援に効果的であることから、今後、児童生徒用のタブレット端末を特別支援学級に優先的に導入する予定」と説明した。

　フリースクールの支援について板垣副市長は、不登校の子どもたちのセーフティーネットとして重要な役割を果たしていることにふれ、「国のフリースクール等で学ぶ不登校児童生徒への支援モデル事業の動向を踏まえ、フリースクールへの着実な支援を進めたい」と話した。村松議員の質問に対する答弁。

(市町村 2016-02-29付)