高校入学から大学卒業まで 教育費の平均は726万円 前回調査より125万円減少―日本政策金融公庫札幌支店( 2016-03-07付)
㈱日本政策金融公庫札幌支店は三日、「教育費負担の実態調査結果」(二十七年度・北海道地区)を公表した。高校入学から大学卒業までに必要な入在学費用は、子ども一人当たり平均七百二十六万円と、前年調査に比べ百二十五万五千円減少した。世帯年収に占める在学費用の割合は平均一五・九%となっているが、年収「二百万円以上四百万円未満」では四六・〇%と、年収のほぼ五割を占める。平均年収が七百五十六万四千円と、約八十万円減少する中、教育費の捻出方法は、前年調査に比べそれぞれ七・〇ポイント増加した「奨学金」(二七・〇%)、「子どものアルバイト」(二二・〇%)の比重が大きくなっている。
奨学金、子のバイトに頼る
調査は、二十五歳以上六十四歳以下で、高校生以上の子どもをもつ道内在住の保護者を対象に昨年十一月に行い、百人から有効回答を得た。
道内の二十六年度の世帯年収は平均七百五十六万四千円(税込)で、前年度に比べ七十八万六千円減少した。高校入学から大学卒業までに必要な入学費用(受験費用・学校納付金・入学しなかった学校への納付金の合計)と、在学費用(一年間に小学校以上の学校に在学中の子どもにかかる費用の見込額の合計)の合計は、子ども一人当たり平均七百二十六万円で、前年度に比べ百二十五万五千円減少。
内訳は、高校が入学費用二十四万九千円と一年間の在学費用五十六万五千円の三年分合わせ百九十四万四千円、大学が入学費用八十九万二千円と一年間の在学費用百十万六千円の四年間トータルで五百三十一万六千円。
高校卒業後の入学先別にみると、私立大学に入学した場合の累計金額は、理系で八百五十六万一千円、文系で八百二十九万二千円となっているのに対し、国公立大学は六百四十五万五千円だった。
世帯年収に占める在学費用の割合は平均一五・九%と、前年度に比べ一・三ポイント下降。年収「八百万円以上」は一二・二%、「六百万円以上八百万円未満」は一七・二%、「四百万円以上六百万円未満」は二一・五%、「二百万円以上四百万円未満」に至っては四六・〇%と五割近くを占め、年収が低くなるほど教育費の負担が重くなる実態が浮き彫りとなった。
全体の三七・〇%を占める自宅外通学生のいる世帯の仕送り額は、年間平均百三十五万七千円(月額十一万三千円)で、前年度より三万七千円減少。自宅外通学を始めるための費用(アパートの敷金や家財道具の購入費など)として、入学者一人当たり平均四十五万一千円が必要で、高校入学から大学卒業までに必要な費用は、前年度より百三十二万二千円減少したものの、一千三百十三万九千円となる。
教育費の捻出方法(複数回答)は、「教育費以外の支出を削っている(節約)」が三三・〇%で最も多く、「預貯金や保険などを取り崩している」と「奨学金を受けている」が二七・〇%、「子ども(在学者本人)がアルバイトをしている」が二二・〇%など。前年度に比べ、「奨学金」と「子どものアルバイト」がそれぞれ七・〇ポイント増え、仕送り額の減少をカバーしていることがうかがえる。
節約している支出としては、「旅行・レジャー費」が六六・七%、「外食費」が四八・五%、「衣類の購入費」が四二・四%と続いた。また、「食費(外食費を除く)」が九・一ポイント増の三〇・三%、「保護者のこづかい」が一二・一ポイント増の二七・三%と、その割合が大きく増加した。世帯年収八百万円未満の世帯では「外食費」、八百万円以上では「旅行・レジャー費」と回答した割合が高くなっている。
( 2016-03-07付)