26年度精神疾患による公立小中教職員休職状況(文科省まとめ) 全国―33人減の5045人 全体の48%が所属校2年未満( 2016-06-09付)
うつ病などの精神疾患で二十六年度に休職した全国の公立小・中学校などの教職員は、二十五年度比〇・六%減の五千四十五人となっていることが、文部科学省の調査で明らかになった。十九年度以降多少の増減はあるものの、五千人前後で推移しており、病気休職者の六割を占めるなど、依然として高い水準にある。全体の四八・〇%の職員が所属校二年未満の教職員で、文科省では「試し出勤等の復職支援に六十七教育委員会が取り組み、復職後のフォローアップに五十三教育委員会が取り組んでいる」とし、精神疾患発生前の環境整備とともに、復職に向けた取組の整備等を進めている。北海道は、札幌市を含め、昨年度より五人多い二百九十三人の教職員が精神疾患で休職した。
◆復職に向けた体制整備も
全国の公立小・中・高校、中等教育学校、特別支援学校の教職員九十一万九千二百五十三人(二十六年度学校基本調査)を対象に調査。
二十六年度の病気休職者数は前年度より百三十一人少ない八千二百七十七人で十九年度以降八年連続で八千人を超えた。このうち、精神疾患による休職者数は三十三人減の五千四十五人で、二十六年度新たに休職発令された教職員は二千九百七十五人でほぼ六割を占めている。
二十六年度中に休職発令された教職員のうち、二十七年度四月一日現在で復職した教職員は一千百二十人、引き続き休職した教職員は一千四百二十三人、退職した者は四百三十二人となっている。
精神疾患による休職者数は十九年度以降、五千人前後で推移しており、二十六年度は病気休職者の六一・〇%を占めるなど、依然として高い水準にある。在職者に占める精神疾患による休職者数の割合は〇・五五%で、十五年度調査と比較すると一・六倍に達する。
学校種別では、小学校が二千二百八十三人、中学校が一千五百四十八人、高校が六百七十五人、中等教育学校が四人、特別支援学校が五百三十五人。在職者に占める割合は小学校が〇・五六%、中学校が〇・六五%、高校が〇・三六%、中等教育学校が〇・二六%、特別支援学校が〇・六四%となっている。
職種別では、校長が二十人、副校長等が七十四人、主幹教諭等が八十一人、教諭等が四千六百八十二人、養護教諭等が百十二人、その他が七十六人。
年齢は、二十代が五百四十七人、三十代が一千百三十四人、四十代が一千三百九十人、五十代が一千九百七十四人。在職者との比率では三十代が〇・六四%で最多。人数では五十代が最多となっている。
一方、精神疾患で休職するまでの所属校での勤務期間をみると、一年以上二年未満が最も多く二三・二%、六ヵ月以上一年未満一七・七%と続き、六ヵ月未満七・一%を合わせると四八・〇%と約半数の教職員が転勤後二年未満で休職している。
試し出勤などの復職支援は全国で六十七教委、道教委を含め五十三教委が復職後のフォローアップなどに取り組んでいる。
道内の状況をみると、病気休職者数は、道教委が前年度より四人多い三百二十七人、札幌市教委が三人多い百五人。うち、精神疾患による休職者は道教委が一人多い二百十七人、札幌市教委が四人多い七十六人。病気休職者に占める割合は六七・八%と全国平均を六・八ポイント上回っている。
( 2016-06-09付)