道社連第71回研究大会 地域おこしを考えよう 旭川永山中2年地理授業( 2016-11-10付)
地域のよさを生かすことで、持続可能な社会にしていくことの大切さを学んだ
第七十一回道社会科教育研究大会旭川大会(十月二十八日、旭川市)で行われた公開授業のうち、中学校地理的分野では旭川市立永山中学校二年三組「日本の諸地域 中国・四国地方~人口や都市・村落を中心とした考察」(深瀬靖貴教諭、生徒数三三人)が行われた=写真=。生徒たちは、地域おこしプロジェクトを発表する活動などを通して、地域の良さを生かすことで持続可能な社会にしていくことの大切さを学んでいた。
単元では、地域おこしに成功し、全国から注目を集めている島根県隠岐諸島・海士町の取組を題材に設定した。過疎化に悩む町の事情や産業を学んだ上で、グループで「海士町地域おこしプロジェクト」を考案。地域おこしを成功させるために必要なことを学ぶもの。
七時間扱いの七時間目に当たる本時は、過疎地域では地域の良さを生かし、産業を活性化させ持続可能な社会となるよう、地域おこしが行われていることを理解することを目指した。
導入では、前時で考えた地域おこしプロジェクト案を各グループが発表。豊富な水産資源のPR、肉牛のブランド化、魅力的な高校づくりなどのアイデアが挙がり、町にもたらす効果について説明していた。
深瀬教諭は「地域おこしにとって大切なことは何だろう」と課題を提起。各班の案に共通するキーワードを考えさせた。生徒たちは、「インターネットでPRする」「高校を生かしている」「人口増加につながる」などと答えていた。
深瀬教諭は、海士町が実際に地域おこしで成功した町だということを生徒に伝え、各班のプロジェクトと海士町が実際に取った政策が類似していることを説明。併せて、地域おこしに成功したほかの自治体の例も紹介し、過疎地域が地域おこしで大切にしていることを生徒に考えさせた。
生徒たちは、「地域おこしとは地域の良さを生かし、働く場をつくり様々な産業を活性化させ、持続可能な社会を目指している」などと述べた。
おわりに、深瀬教諭は、東川町や当麻町の事例をもとに、どの地域でも地域活性化の取組が行われていることを紹介し、「地域おこしが目指すもの」についてワークシートに記入するよう促した。
( 2016-11-10付)