士別市教委の教育行政執行方針―安川教育長が説明 英語教科化へ指導教員 31年度に市内全域でCS(市町村 2017-03-02付)
【旭川発】士別市教委の安川登志男教育長は、二月二十二日開会の市議会第一回定例会で教育行政執行方針を説明した。三十年度に上士別など四地区、三十一年度に市内全域でコミュニティ・スクール(CS)導入を目指すことや、小学五・六年生の英語の教科化を見据え、「小学校教員の指導力向上を図るため、専属の指導教員を特別に配置する」との考えを示した。
安川教育長は、CSの推進とともに、従来の「学校支援地域本部」を学校と連携・協働する組織とし、「地域学校協働本部」へ移行することを検討。地域で子どもたちを育む体制の構築に努める考えを表明した。
また、特別支援教育では、明らかな知的遅れがないのにもかかわらず、「読み」「書き」「計算」に困難が認められる学習障がいに対し、「小学校入学後の早い段階で検査を行い、対策を講じる」との考えを示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育の推進
学校教育については、主体性と創造性を備えた豊かな人格の子どもを育てることを目標に、基礎的・基本的な知識の習得に向けた取組や、確かな学力を確立するために必要な時間の確保、また、児童生徒が「他人を思いやる力」「他人の心を感じとる力」「他人と協力しあう力」「自分の感情をコントロールする力」を身に付けられるよう、学習指導の工夫・改善を図る。また、これらの実践的取組の成果を授業として情報発信するとともに、教職員の専門的知識や指導力向上に向けた研修を推進する。
学校と地域住民や保護者が、力を合わせて学校運営に取り組むための新たな制度である学校運営協議会制度、いわゆるコミュニティ・スクールの導入を目指していく。それぞれの地域にふさわしい制度づくりを基本に二十九年度を準備期間とし、三十年度には上士別・多寄・温根別・朝日の各地区、三十一年度には市内全域で導入を図る。
士別東高校が取り組んでいる「生徒個々に応じた教育の充実」に当たり、生徒が「東高で学んで良かった」と思えるような魅力ある学校づくりに対して適切な支援を行う。
いじめについては、各種アンケートなどによる早期発見ときめ細やかな対応を図り、不登校への取組については、適応指導教室「ウィズ」の一層の充実によって児童生徒の居場所を確保する。また、各学校との連携を進めるとともに、各種情報交換や研修の機会を充実し、問題行動などの未然防止や早期対応に向けた学校内の指導体制の充実を図る。
地域資源を生かした教育の実践として、小学三年生から六年生の総合的な学習として取り組んでいる農業学習については、基幹産業の農業について学びながら、学校と地域社会の連携、積極的な人材活用を通して、様々な体験機会の提供を図るとともに、異なる世代との交流を高める学習活動を展開する。
特別支援教育では、支援員を増員し、学校内での支援体制を強化する。また、新たな取組として、明らかな知的遅れがないのにもかかわらず、「読み」「書き」「計算」に困難が認められる学習障がいに対し、小学校入学後の早い段階で検査を行い、対策を講じる事業を展開する。
外国語によるコミュニケーション能力については、児童生徒の国際化に対応できる学習活動を推進するため、英語指導助手の体制の充実を図るとともにその活用をさらに促進し、外国語教育の充実に努める。
さらに、三十二年度から小学五・六年生で教科とされる外国語活動に対し、小学校教員の指導力向上を図るため、二十九年度は専属の指導教員一人を特別に配置し、英語力の向上を図る。
▼社会教育の推進
つくも青少年の家については、施設の老朽化が著しいことから、施設統合を含め今後の施設の在り方について、引き続き検討するとともに、活動プログラムについては、恵まれた周辺環境を活用して、様々な研修に対応する。
▼青少年の健全育成
学校支援地域本部については、地域住民の協力によって、引き続き学校支援体制の充実に努めていくが、学校と地域の関係を「支援」から「連携・協働」へ、「個別」の活動から「総合化・ネットワーク化」へと発展させる、地域学校協働本部への移行を検討し、コミュニティ・スクールの導入とともに、地域で子どもたちを育む体制の構築に努める。
子どもたちに豊かな体験を提供する「土曜子ども文化村」については、「体験館」として茶道などの文化活動のほか、市内企業の協力による職業体験を実施し、体験活動の充実に努めるとともに、「音楽館」として様々な楽器に親しみ、二十九年度からは新たに「美術館」として、芸術体験を通じて想像力の豊かな子どもの育成に努める。
(市町村 2017-03-02付)
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