札幌らしい特色ある学校教育推進事業―札幌市教委　１０年間の成果と課題整理　「つながり」「発信」柱に充実へ

（市町村 2019-03-01付）

　札幌市教委は、札幌らしい特色ある学校教育の推進についての報告書を取りまとめた。これまでの成果と課題を「雪・環境・読書の三つの共通テーマにかかる取組について、各校において工夫した取組が行われ、大きな成果を挙げている」「取組成果の整理や新たな価値付けをすることによって、より取組に広がりや深まりを期待することができる」などと整理。取組の一層の充実に向けた柱として「幼・小・中・高のつながりを意識する視点」「発信」の二点を示した。

　市教委が、札幌らしい特色ある学校教育推進事業について、二十年度に検討プロジェクトを設置してから十年が経過した。

　新学習指導要領や市の教育推進にかかる包括的な方針に基づき、自立した札幌人を育成するため、本年度は、十年間を振り返り、今後の在り方を探る検討プロジェクト会議を設置。今回、報告書を取りまとめた。

　報告書では、札幌らしい特色ある学校教育の誕生の経緯や札幌の特色などを記載。また、雪・環境・読書の三つのテーマについて十年間の取組事例を紹介している。

　取組全体の成果として「雪・環境・読書の三つの共通テーマにかかる取組について、各校において工夫した取組が行われ、大きな成果を挙げている」「地域の方や大学教授等を講師として招いたり、インタビュー活動を行ったりするなど、地域や外部の人材を活用することによる教育効果」などを示す一方、課題として「取組成果の整理や新たな価値付けをすることによって、より取組に広がりや深まりを期待することができる」などと整理した。

　これまでの取組から「札幌らしい特色ある学校教育の大きな枠組みを継承し、すべての園・学校が共通に取り組む三つのテーマである雪・環境・読書を継続する」と今後の方向性を示した。

　また、取組の一層の充実に向けた柱として「幼・小・中・高のつながりを意識する視点」「発信」の二点を提示した。

　幼・小・中・高のつながりを意識する視点については、異校種間で情報共有や連携した取組を進めるには、視点を具体的にもつことで、学年段階や校種間の違いによる子どもの学びや育ちの側面から、活動内容等を整理し直すことにより、学習効果の最大化が期待できることを説明。具体的な視点として「資質・能力の明確化」「教育課程への明確な位置付け」など五つを示した。

　発信については、学校からの発信と幼児児童生徒からの発信の二種類を提示。雪・環境・読書を関連させた発信のほか、近隣の幼稚園や小学校、中学校など校種を越えた発表会など、学習活動や学びの広がり・深まりにつながることを記した。

(市町村 2019-03-01付)