札幌市教委３１年度教育方針説明会　防災・安全教育を推進　チームとして学校の一体感を

（市町村 2019-03-01付）

説明に立つ長谷川教育長

　札幌市教委は二月二十七日、札幌サンプラザで三十一年度教育方針説明会を開いた。市内の校長・園長などが出席。三十一年度の教育方針や各部所管事項について共通理解を図った。長谷川雅英教育長は防災教育やリスクマネジメントの重要性を強調するとともに、学校経営ビジョンを教職員と共有するなど、チームとして学校の一体感を醸成していくことを求めた。

　はじめに長谷川教育長があいさつ。北海道胆振東部地震を振り返り、各校の児童生徒の安否確認や避難所運営に感謝の気持ちを述べたほか、三十一年度の教育方針について「新学習指導要領等」「札幌らしい特色ある学校教育」「防災教育・安全教育の推進」の三点から重点を説明した。

　新学習指導要領等については、「これまでの教育課程の成果と課題をとらえた上で、新学習指導要領の趣旨と内容への理解を深め、新しい教育課程の編成と実施をお願いしたい」と呼びかけた。

　また、市教委で新学習指導要領の実施に向けて手引きなどの資料を作成・配布したことを説明。「一人ひとりの教員が学習指導要領についての理解を深め、その内容に基づく指導を適切に行うことができるよう、教育委員会として引き続き支援したい」と述べた。

　札幌らしい特色ある学校教育については、取組が十年を迎えたことから今後に向けた検討プロジェクトを実施したことを説明。「今後も各学校の創造性あふれる取組によって、子どもたち一人ひとりの“ふるさとさっぽろ”への思いが強まるなど、自立した札幌人の育成が一層効果的に進められることを期待する」と話した。

　防災教育・安全教育の推進について、昨年の台風21号や北海道胆振東部地震の経験から、子どもたちと教職員の防災意識が高まっていることを強調。各校の取組にふれたほか、子どもたちが的確な状況判断に基づき、適切な意思決定や行動選択ができるようにするため、防災教育や安全教育の見直しと充実を求めた。

　最後に長谷川教育長は、災害や子どもが巻き込まれる事件・事故、教員の不祥事などの観点から、リスクマネジメントの重要性を強調。教職員や保護者、教育委員会、関係者とのコミュニケーションを図るほか、問題に対して速やかに対応することを求めた。

　また、学校経営ビジョンを教職員と共有するなど、チームとして学校の一体感を醸成していくことを求めたほか、今回の説明会について「自立した札幌人の育成に向けて、園長・校長と教育委員会が力を合わせて新たな一歩を踏み出す出発点としたい」と呼びかけた。

　このあと、各担当部長が学校教育の重点や教職員の服務などについて説明した。

(市町村 2019-03-01付)