３０年度体力・運動能力調査―小樽市教委　小学校男子全国上回る　過去最高の体力合計点

（市町村 2019-03-01付）

小樽市の３０年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果（クリックすると拡大表示されます）

　【小樽発】小樽市教委は、三十年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査における市の結果を公表した。体力合計点において、小学校男子が初めて全国平均を上回った。中学校女子は全道平均を上回り、小学校女子はほぼ全国平均並みとなった。小学校男女、中学校女子は、調査開始以来の過去最高点を記録した。

　三十年度調査は、昨年四月から七月末にかけて市内の小学校十八校の五年生七百二十三人、中学校十二校の二年生七百二十六人を対象に実施。実技八種目（中学校は持久走か二〇㍍シャトルランのいずれかを選択）と質問紙調査の結果を集計した。

　実技に関する調査結果をみると、小学校男女、中学校女子において調査を開始した二十五年度以降、過去最高の合計点となった。

　小学校男子は、「握力」「上体起こし」「長座体前屈」「反復横とび」が全国平均を上回った。「二〇㍍シャトルラン」「五〇㍍走」が全道平均を上回り、調査開始以来、体力合計点が初めて全国平均を上回った。

　小学校女子は、「握力」「長座体前屈」「反復横とび」で全国平均を、「上体起こし」で全道平均を上回り、体力合計点も全国平均並みとなった。

　中学校男子は、「握力」で全国平均を、「長座体前屈」「反復横とび」「五〇㍍走」で全道平均を上回ったものの、合計点では全道平均と比較して〇・六三ポイント、全国より一・六三ポイント下回った。

　中学校女子は九種目のうち、「上体起こし」「長座体前屈」「反復横とび」「二〇㍍シャトルラン」で全道平均を上回り、体力合計点において全道平均を上回る結果となった。

　児童生徒質問紙調査では、「運動が好き」という項目に対し、小・中学校ともに「好き」「やや好き」という児童生徒が多い結果となった。「家の人から運動やスポーツを積極的に行うことをすすめられる」との設問では、小・中学校男子は全国平均より高いのに対し、小・中学校女子はいずれも低い結果となった。

　「学校の体育（保健体育）の授業以外での運動やスポーツについて」の項目では、小学校男女の平日運動時間は全国平均より長いものの、中学校男女の平日および小・中学校における土日の運動時間は全国よりも短かった。

　学校質問紙調査では、「授業のはじめに目標が示されているか」という項目に対し、小学校男女は全国平均より低く、中学校は男女ともに高い結果となった。「授業の最後に学んだ内容を振り返る活動を行っているか」という設問では、小・中学校ともに全国平均を下回った。

　教育委員会質問紙調査の「平日にどれくらいスマートフォン等の画像や映像を見ているか」という項目は、小・中学校ともに全国平均を大きく上回る結果となった。

　二十九年度調査で課題となっていた「長座体前屈」は、小・中学校ともに改善がみられ、道内および全国平均を上回った。要因は、二十八年度設立の体力向上検討委員会による重点項目の提示や、体力向上にかかわる資料提供などの取組によるものと、市教委は分析している。

　また、体力向上実践校に指定されている奥沢小学校では、道教委の体育専科教員活用事業として、体育専門の教員を一人加配。筑波大学附属小学校から平川譲教諭を外部講師として招き示範授業を行うなど、体力・運動能力の向上に努めてきた。

　今回の結果で、市教委は「二〇㍍シャトルラン」「立ち幅とび」が全国平均を下回っていることから、全身持久力や長距離走能力、跳躍能力の向上を今後の課題としている。

(市町村 2019-03-01付)