北斗市３１年度教育行政執行方針　ＣＳ活性化を積極支援　３１年度内に全小中へタブレット

（市町村 2019-03-05付）

北斗市教委・永田裕教育長

　【函館発】北斗市教委の永田裕教育長は、三十一年度の教育行政執行方針においてコミュニティ・スクールの活性化に向けた積極的な支援を通して、家庭・学校・地域が一体となって子どもを育てていく姿勢を示した。また、外国語・外国語活動の充実を見据えたＡＬＴの増員やタブレット端末を、新年度内に市内小中学校すべてに設置することで、新学習指導要領の視点を踏まえた授業改善への対応を進めていくとした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育の推進】

▼社会で生きていく実践的な力の育成

　新学習指導要領では、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の三つの視点に立った授業改善を行うことで、生涯にわたって能動的に学び続けることを主眼としている。

　これらを実践するためには、まず教える側の教職員が、これらの考え方を理解することが重要であり、積極的に研修や情報交換を行っていく必要があると考えている。

　様々な課題に対応をするために、ＩＣＴ機器（タブレット）の整備は不可欠。三十一年度をもって市内小中学校すべてに設置が完了する計画としている。

　さらに、外国語や外国語活動では、新学習指導要領完全実施の一年前倒しの対応として、ＡＬＴを一人増員していく。

　コミュニティ・スクールについては、学校運営協議会が各校に設置されており、各学校が目指す特色ある学校づくりに取り組んでいただくとともに、地域における課題に学校が主体となって取り組み、地域の活性化に努めてほしいと考え、学校運営協議会への補助金についても対象校を二校から九校に拡大したいと考えている。

　教職員の働き方改革では、「学校における働き方改革」の取組を、教育委員会、校長会、教頭会が協議をして進めており、学校閉庁日の設定、クラブ活動における休養日の設定、ＩＣＴを活用した指導案の共有、校務支援システムの導入を図るなど、今後もさらなる検討を進めていく。

　特別な支援を要する子どもたちについて、三十年度に学習支援員を増員しているが、三十一年度で市内全校にタブレットが整備される計画なので、これを活用した有効な授業づくりを進めていきたい。

　上磯高校に併置されている北斗高等支援学校も、三十一年度で全学年がそろうこととなり、今まで以上に連携を強化して、特別支援教育の充実に努める。

▼豊かな心と健やかな体の育成

　子どもたちの成長過程において、育ってきた環境の違いや規範意識の相違などによって、人間関係にトラブルが生じるいじめ問題については、家庭・地域・学校が共通認識のもとに、ねばり強い指導をしていかなければならない。

　学校は、コミュニティ・スクールを積極的に活用し、様々な体験活動によって、子どもたちのコミュニケーション能力、ふるさとを愛する心などを育てていく必要がある。さらに、地域と学校が連携することによって非行を防止し、犯罪や交通事故からも子どもたちを守ることになる。

　体力の向上については、学校教育における授業だけではなかなか向上につながらず、日常生活における活動も大きな要因となることから、学校での体育の授業において、運動の必要性や楽しさを教えていく必要があり、工夫の必要がある。

▼信頼される学校づくりの推進

　災害や事故発生時における危機管理意識を高めるため、常に最悪の状況を想定するという共通の認識に立つことや、子どもたちには災害の恐ろしさを実感し、お互いに協力する必要性について教育をしていかなければならない。

　災害発生時を想定した避難訓練においては、学校運営協議会と連携し、地域とともに行うことや、避難場所において小中学生ができることなどについて考えていくことも必要と考える。

(市町村 2019-03-05付)