【解説】私立高校生の学費滞納等調査

（コロナウイルス関連 2020-12-22付）

　全国私立学校教職員組合連合は、本年度上半期における私立中高生の学費滞納と経済的理由による中退調査結果をまとめた。私立高校で３ヵ月以上の学費滞納生徒の割合は０・５２％となり、過去最低を更新した。今回、新型コロナウイルス感染の中でその影響を滞納・中退の面から調査した。

　私立高校・中学校で学費を３ヵ月以上、また６ヵ月以上滞納している生徒数とその状況、同期間に経済的理由で退学（学費未納による除籍を含む）した生徒数とその具体的な状況を調査するもの。平成１０年度以降毎年度調査している。

　回答があったのは３１都道府県の私立高校３３３校（在籍生徒数２６万９８５２人）、私立中学校１７０校（同６万７８０３人）。

　私立高校で３ヵ月以上の学費滞納生徒の割合は前年度の０・８７％から大きく下がり、０・５２％と過去最低となった。滞納生徒数も１４０７人と過去最低を更新した。

　私立中学校で３ヵ月以上の学費滞納生徒数は５２校８６人（前年６５人）と微増したが、調査した生徒に占める割合は０・１３％で過去最低となった。

　コロナ禍での学費滞納生徒数は高校で７１人、中学校で１８人。「母親の仕事がコロナ禍で不振となり、アルバイトで家計を支えるようになり退学した」「自営業による経営難によって退学し転校した」などの事例が報告された。

　全国私教連は、これまでの滞納率や経済的理由による中退率が大きく減少したことは、国の制度拡充が大きく影響を与えていると分析。

　一方、コロナ禍を理由とする滞納・経済的理由での中退については、今後、経済活動の縮小などの影響で学費支払いや、私学への入学にちゅうちょすることも考えられると懸念を示している。

(コロナウイルス関連 2020-12-22付)