初のまなＬａｂｏトライアル　臨休想定し学び継続　中富良野町教委・上川局

（市町村 2021-03-01付）

理科の授業を配信。実験も生中継

　【旭川発】中富良野町教委と上川教育局は２月２４日、町内５ヵ所を接続したオンライン学習研修会兼まなＬａｂｏ展開事業「まなＬａｂｏトライアル」を開いた。道教委事業を活用したもので、トライアルとして実施するのは全道で初めて。学校が数日間、臨時休業等になったケースを想定し、中富良野中学校（田村圭司校長）から公民館などに配信する双方向オンライン学習を試行した。

　事業は、道教委と㈱シーラクンスによる相互連携協定の一環。新型コロナウイルス感染症拡大の影響などによって、数日間にわたって、①児童生徒が登校できなくなった②学校が臨時休業または分散登校となった―の２ケースを想定し、児童生徒や公共施設等にＩＣＴ機器を貸与することで、学びを継続させるシステムの構築を目指している。

　今回、町教委と教育局が共催した研修会に事業を活用。トライアルとして試行し、成果や課題を検証することで事業の充実につなげることをねらった。

　今回はケース②を想定し、中富良野中から、町内のふれあいセンターなかまーる、旭中・宇文・西中の３地区の集会所へ講話や双方向オンライン授業を配信。小・中学校の教員ら約４０人が参加した。

　実施に当たっては、同社からＷｉ―Ｆｉルーター５台の貸与を受けた。

　上川教育局義務教育指導班の髙橋哲雄主任指導主事が、オンライン学習実施上の留意点などを講話したあと、中富良野中の岡本一希教諭が双方向オンライン学習を配信した。

　１年生２２人は、住んでいる地区の会場に分かれて一人ずつタブレット端末で受信。参加教員らが参観する中、ウェブ会議システムＺｏｏｍの接続や音声設定の方法などを自ら操作して確認した上で、理科のアンモニア発生に関する復習授業を受けた。

　岡本教諭は、穴埋め形式のスライドを画面共有し、「○○会場の○○さん」などと指名して質問。指名された生徒が空欄に入る言葉を答えるなどして、双方向でやり取りした。

　噴水実験を生中継した際には、溶液の色が変化する様子に歓声を上げる生徒の姿がみられた。

　授業後には、生徒からチャットを介して「面白かった」などのメッセージが寄せられた。

　授業を受けた生徒の一人は「ネットを使った授業は初めて。回線トラブルなどを改善して実用化してほしい」と有用性を実感。昨春の臨時休業中には教員が各家庭を訪問して課題を配布していたことを振り返り、今後、同様の事態が起こった際に活用されることを期待していた。

(市町村 2021-03-01付)