剣淵町３年度教育行政執行方針　剣淵高に新系列設置　ICT活用へ教員研修

（市町村 2021-03-05付）

剣淵町教委・半田幸清教育長

　【旭川発】剣淵町教委の半田幸清教育長は、２日開会の令和３年第１回町議会定例会で３年度教育行政執行方針を説明した。町立の剣淵高校に、新たに普通教科を中心とした「未来のしんろ」系列を設けるとともに、近郊地域から通学する生徒に通学費を補助する考えを示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

【自らいきいきと学ぶ学習活動の推進】

▼学力の向上

　小・中学校で少人数・個別指導を進めるとともに、剣淵町、和寒町、鷹栖町の小学校の指導教員が各小学校を巡回し、授業改善の指導などを行う授業改善推進チーム事業を実施する。

▼生涯にわたる学びを育む学習活動

　ＩＣＴ活用教育では、タブレット型ノートパソコンなどを活用した対面授業や協働学習、学習支援ソフトを活用した個別学習、児童生徒がパソコンを家庭へ持ち帰り行う家庭学習、学校休業の際に学校と家庭の児童生徒を結んで行うオンライン授業などの実施に向けて、教員の指導力向上研修や授業研究を進める。

▼ふるさと剣淵から未来を思い描く学習

　児童生徒が身近な生活から地球温暖化などの課題に関心をもち、ＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）などについての理解を深め、広い視野からよりよい未来を思い描いていくことが求められている。

　各学校が連携して、児童生徒が地域課題の解決について考え、地域の特色を生かしたまちづくりを体験する活動などから、自分自身や地域の未来について探究する「ふるさとキャリア教育」を推進する。

【魅力ある高校づくりの推進】

　創立７０周年を迎える剣淵高校は、これまで農業と福祉の専門教育を中心に魅力ある教育を実践してきたが、生徒の興味・関心や進路の多様化に対応するためにカリキュラム編成を見直し、新たに「未来のしんろ」系列を設けることとした。

　普通教科を中心とし、実社会での実践力となる科学・技術・情報・芸術などについても教科等横断的に学習するとともに、グローバルな視点をもって地域の魅力を創造する人材の育成を目的として、新たにＳＤＧｓや絵本などに関する学習を取り入れる。

　中学校訪問、ホームページ・ＳＮＳによる情報発信、体験入学などのほか、遠隔者寮のＰＲと道内外からの広域生徒募集を進める。

　進路対策では、３系列ごとに大学等の進学先や企業就職先の開拓と体験入学・インターンシップ受け入れ先および指定校推薦枠の確保に取り組む。

　就学支援では、これまでの資格取得受験費補助、委託実習や各種大会参加費補助に加え、新たに近隣や旭川市および近郊地域から通学する生徒に対して通学費を補助する。

【学校間連携の促進】

　小中連携・一貫教育の推進では、小・中学校が学習指導や生徒指導上の課題等を相互に共有しながら、義務教育９年間を見通した教育課程の編成と管理（カリキュラム・マネジメント）を行っていけるよう体制づくりを進める。

(市町村 2021-03-05付)