士別市３年度教育行政執行方針　デジタル教科書導入検討　外部人材による学びの機会を

（市町村 2021-03-05付）

士別市教委・中峰寿彰教育長

　【旭川発】士別市教委の中峰寿彰教育長は、２月２４日開会の令和３年第１回市議会定例会で３年度教育行政執行方針を説明した。デジタル教科書について、実証事業を通して教育効果の検証や課題の明確化を図るとともに、本格導入に向けて検討する。また、合宿チームによるスポーツ指導の実施を拡大するなど、外部人材等による学びの機会づくりを進めていく考えを示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

　授業力の向上を図るため、授業改善や習熟度別指導などの研究成果の実践拡大に努めるほか、教職員研修の精選と充実に努める。

　ＧＩＧＡスクール構想にかかわっては、道教委による学習者用デジタル教科書実証事業に参加し、デジタル教科書による教育効果の検証や課題の明確化を図りながら、本格導入に向けた検討を進める。

　外部資源の活用については、小学校社会科でのトヨタ自動車士別試験場の視察見学やダイハツ工業によるものづくり体験教室などを継続実施する。加えて、新年度は、合宿チームによるスポーツ指導の実施拡大や市内企業・事業所などの協力による体験的学びなど、外部の人材や資源による学びの機会づくりを進める。

　特別支援教育をはじめとする支援員や相談員、スクール・サポート・スタッフなどの体制の充実を図るとともに、知的発達に遅れはないものの、文字の読み・書きなどに困難が認められる児童に対する専門的支援の拡充を継続する。

　適応指導教室「ウィズ」については、所属学校や家庭との連携を図りながら、引き続き安定的な体制づくりに努める。

　子どもたちの体力・運動能力向上と教員の指導力向上を図るため、本市での合宿チームの協力によるスポーツ能力向上事業の展開や、小学校における体育専科教員の取組を継続実施する。

　部活動については、部活動支援員・指導員の拡充や拠点校部活動の充実を図りながら、体育協会や各競技団体等との連携のもと、今後を見据えた部活動と地域スポーツの在り方について検討を進める。

　士別東高校については、引き続き、一人ひとりの個性を尊重し、個々の状況にも応じた学びを推進するとともに、昨年設置した学校運営協議会との連携を深めながら、地域に根ざした教育活動を実践する。

▼社会教育

　子どもたちの望ましい生活習慣と学習習慣の定着に向けては、小学校１日入学の機会や家庭教育つうしんなどを通して、保護者の理解を深める啓発活動を継続する。また、子ども会育成連絡協議会と連携した実行委員会体制によって、通学合宿型のチャレンジスクールを継続実施するほか、教職員や士別翔雲高校生などの協力も得て、長期休業中の小学生を対象としたチャレンジ寺子屋を実施する。

　市立博物館が本年７月で開館４０周年を迎えることを記念して、これまでの歴史を振り返る特別展示を実施する。

▼スポーツの振興

　オリンピック・パラリンピック・ムーブメントを盛り上げる機会として、ＪＯＣとのパートナー都市協定を踏まえた取組を進める。

　ムーブメント活動のメーン事業である道内唯一のオリンピックデーランについては、全国最多の３０回大会として８月２９日の開催を予定。冬季北京オリンピックに向けての機運を高める機会として位置付ける。

▼教育・学習環境の整備

　学校における働き方改革については、校務支援システムの導入や客観的な勤務時間の把握などのほか、支援員や相談員などのスタッフを含むチーム学校としての体制強化に向けて、校長会などとの連携のもとに取組を進める。

　本年度から導入した指導主事および学校教育アドバイザーと社会教育アドバイザーをはじめ、教育委員会スタッフの連携を一層深め、教育行政を推進する。

　学校施設の耐震化にかかわっては、老朽化が著しい朝日中学校の体育館について、糸魚小学校の体育館を共用することで環境の改善を図るとともに、耐震対応等については、今後の学校の在り方も含めて検討を進める。

(市町村 2021-03-05付)