釧路校長会　第１回町村部長研修会　キャリア教育　在り方は　地元企業出前授業等に学ぶ

（関係団体 2022-05-09付）

ものづくりの大切さについて話す羽刕社長

　【釧路発】釧路校長会は４月下旬、釧路教育研究センターで第１回町村部長研修会を開き、キャリア教育に関する講話を行った。（株）釧路製作所の羽刕洋社長が講師を務め「ものづくり～出前授業のご提案」をテーマに自社で行った様々な出前授業などの取組について紹介した。

　羽刕社長は釧路市教育振興会会長を務めており、子どもたちの教育には日ごろから関心を寄せている。「地域の雇用や産業を守ることが、地域未来けん引企業である自社の使命であり存在意義。地域雇用の受け皿となるためにも、釧路の将来を担う子どもたちの教育への協力を惜しまない」と語った。

　市産業推進室と連携した出前授業や工場見学について説明。また釧路工業高等専門学校ロケットランチャープロジェクト同好会との産学連携や、釧路工業高校への溶接指導員派遣などについて写真を示しながら解説した。

　中で、昨年開催された溶接の甲子園ともいわれる全国選抜高校生溶接技術競技会で釧路工業高が全国３位に当たる優良賞を受賞。溶接技術者として３０年以上携わってきた職人の指導が確かな技術の習得に結実したことを振り返った。

　６月には溶接トレーニングセンターを新設予定。開設の背景には少子高齢化に伴う技術者の減少があり「このままでは製造業や建設業を支える重要な人材が確保できない」と考えた。溶接技術の普及と技術者の養成を目的にものづくりに興味を持つとともに、溶接知識や技術の指導、資格の取得などにつながるとした。

　特にＶＲ溶接シミュレータの導入によって限りなく実体験に近い状態での溶接体験が可能となり、小学生でも安全・安心に体験できることを伝えた。

　ものづくり出前授業では「溶接の学習や体験を通じて大切さや興味・関心を喚起し、職業の選択肢を増やすことにもつながる」と話し、多くの小・中学校での実施に期待を寄せた。

(関係団体 2022-05-09付)