上士幌町教委　部活動地域移行へ　運営組織・人材用意を　学習会で道教委アドバイザー

（市町村 2023-02-22付）

　【帯広発】上士幌町教委は８日、生涯学習センターで中学校部活動の地域移行に関する学習・検討会を開いた＝写真＝。道教委による部活動の在り方検討支援アドバイザー派遣事業を活用し、ＮＰＯ法人おにスポの磯田大治理事長を招致。あらゆるスポーツに触れる機会の提供や、持続可能な運営体制構築等の重要性について共通理解を図った。

　学校部活動における国の動向と地域における部活動の取組事例など、関係者の理解を深めることを目的に、道教委による部活動の在り方検討支援アドバイザー派遣事業を活用して実施。町校長会・教頭会、学校運営協議会、町スポーツ推進委員協議会、町文化協会など、学校教育やスポーツ・文化に関わる団体が出席した。

　道教委担当者がオンラインで、国の方向性と道教委の取組を説明。部活動の地域移行に向けた検討を進めるに当たり、目的を明確化して共通理解を図ることの重要性を説いた。

　続いて、登別市の総合型地域スポーツクラブ・ＮＰＯ法人おにスポの磯田理事長が講話した。

　磯田理事長は、全国でマルチスポーツに興味を持つ中学生が約６割に上り、様々なスポーツに触れる機会の提供を保障するなど、体験格差の解消が重要となることに触れ「生涯にわたり続けたい競技を自己決定することが大切」と強調。部活動が「生徒の自主的・自発的な参加によって行われるもの」であることを確認し、生徒の意見が反映される仕組みづくりの必要性を説いた。

　登別市では５年度に新たな地域クラブ「仮称・登別市中学校クラブ」を設立するなど、持続可能なスポーツに関する一体的な改革を推進していることを説明。市教委が一般社団法人や協議会等からなる任意団体を創設し、運営体制を整えたことを紹介した。

　また、部活動の地域移行は「指導員を探すことではない」と訴え「ヒト・カネ・モノを包括するマネジメント組織および人材を受け皿として用意することが先決」と呼びかけた。

　講話を通して小堀雄二教育長は「幼児期からの一連の流れの中に、中学校部活動があることに気付き、地域移行への見方が変わった」「あらゆる体験ができる地域づくりが大切と感じた」と話した。また、教職員の兼職兼業に関して、管理職が教員に強制しない仕組みづくりの重要性を、道教委担当者と確認した。

(市町村 2023-02-22付)