鹿追町教委　ＩＢ認定へ準備　２中学校候補に申請中　５年度は教育課程計画や研修

（市町村 2023-03-02付）

　【帯広発】鹿追町教委は、グローバル化に対応した素養・能力を育成する国際的な教育プログラム「国際バカロレア（ＩＢ）」の認定に向けて準備を進めている。町内中学校２校を候補校として申請中。５年度から、公認コンサルタントによる支援のもと、教育課程の計画やＩＢ公認の教員研修活動に取り組む予定だ。

　ＩＢは、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より平和な世界を築くことに貢献する探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としている。発達段階に応じて①ＰＹＰ（３～１２歳）②ＭＹＰ（１１～１６歳）③ＤＰ（１６～１９歳）―の３つの教育プログラムを用意。候補校としての活動を経て認定校の承認を受ける。

　文部科学省は自治体や学校への情報発信、教育効果等の調査研究などによって、ＩＢの普及促進に取り組んでいる。道内の認定校は、市立札幌開成中等教育学校、札幌日本大学高校、認定こども園あいの里の３校・園。

　鹿追町教委は昨年から、研修や市立札幌開成中等教育等への視察によって、ＩＢに関する教育関係者間の共通理解を図ってきた。現在、町立鹿追中学校、瓜幕中学校の候補校認定に向けて、ＩＢ機構に申請している。

　承認を得て候補校となった場合、ＩＢ機構の公認コンサルタントによる指導助言のもと、学習指導要領とＩＢの教育プログラムを組み合わせた教育課程を計画する。

　また、各教員が担当教科または担当職務についてＩＢ公認の教員研修活動に取り組む必要がある。

　町は５年度予算案に、ＩＢの認定に向けた研究費用として４００万円を計上。加えて、地域おこし協力隊の１人に米国出身者を迎え、公認コンサルタントとのやりとりにおける通訳やＩＢ認定に向けたマネジメント業務を委任する。

　町教委は「ＩＢ教育の導入によって教科を問わない探究学習を推進し、学習者主体の学びにつなげたい」と話している。現在は中学校２校でＭＹＰ導入に向けて準備を進めているが、小学校および高校におけるＩＢ認定も視野に入れている。

(市町村 2023-03-02付)