全国都市教育長協第７３回全国大会　ウェルビーイング 学校全体で高めて　文科省･堀野初等中等企画課長講話

（関係団体 2023-05-26付）

全国都市教育長協議会・講話

　【帯広発】全国都市教育長協議会第７３回全国大会（１８、１９日、帯広市民文化ホール、２４日付１面既報）の初日、文部科学省の堀野昌三初等中等教育企画課長が講話した＝写真＝。「初等中等教育施策の動向」をテーマに、次期教育振興基本計画（答申）やＧＩＧＡスクール構想、学校における働き方改革など、計１９の今日的な教育課題に関して、その背景や文科省の取組を説明した。

　次期教育振興基本計画に関しては、答申概要に触れ「２０４０年以降の社会を見据えた持続可能な社会の創り手の育成」「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」の次期計画におけるコンセプト２点を説いた。

　多様な個人が幸せや生きがいを感じ、個人を取り巻く地域・社会が幸せや豊かさを感じられるなどの包括的な概念「ウェルビーイング」について、教育に関わっては「自己肯定感」「自己実現」「協働性」などの形成が含まれることを説明。「子どもたちのウェルビーイングを高めるためには、教師をはじめとする学校全体のウェルビーイングが重要」となり、学校・地域・社会に循環していく姿の実現が求められることを示した。

　地方教育行政の推進について「令和の日本型学校教育」を推進する地方教育行政の充実に向けた調査研究協力者会議の議論内容を紹介。「教育委員会会議が形骸化することなく、有事の際や情勢の変化に応じて総合教育会議を開催できるよう、首長と密接に連携してほしい」と伝えた。

　ＧＩＧＡスクール構想の推進においては「アナログの時代に“こういうことができたらいいな”と思っていたことが現代では可能になっていると感じた」と学校視察を振り返った。「目の前の児童生徒４０人の思考・活動を見守り、全員が活動に参加することが、端末活用によって実現する」という観点のもと、効果的な活用を呼びかけた。

　このほか、教師の資質・能力の向上、いじめ対策・不登校児童生徒への支援、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進などに関して施策の動向を示した。

(関係団体 2023-05-26付)