Pick Up2023 第6回 空知・後志( 2023-12-15付)
パイプ役としてさらなる職能向上を目指す
◆空知主幹教諭会が発足 第6回 空知・後志
学校経営に参画し 環境整備へまい進
ことし8月、空知主幹教諭会が新たに発足した。関係者によると、管内規模での主幹教諭会設立は前例がないという。初代会長に就任した岩見沢市立中央小学校の中澤孝仁主幹教諭は「やりがいを持って学校経営に関わり、管理職と教職員をつなぐパイプ役として環境づくりを行いたい」と力を込める。
本年度の道内における主幹教諭配置状況は、小学校187人、中学校119人、義務教育学校前期4人、後期6人の計316人。うち管内では25校に25人が配置されている。
管内の主幹教諭は、10年ほど前から教頭会に参加し、研修・交流を深めてきた。近年の主幹教諭増加に伴い、連絡・調整の担当窓口が必要に。また、少数配置市町の主幹教諭に対する情報交流の機会を設けるため、独自性を持った組織を求める声が高まっていた。ことし3月に設立準備委員会を立ち上げ、空知教育局、校長会、教頭会などの協力を得て8月の設立につながった。
研究体制等強化へ 会員の交流促進
活動内容をみると、教頭会の研修会への参加を基本に、必要に応じて独自に研修機会を設ける。来年1月10日に空知教頭会の学校運営研修会に参加する計画だ。4月には総会を開く。組織・研究体制の活性化や強化を図り積極的な活動を行うため、各校の状況・課題を交流し、さらなる職能向上を目指す。
中澤会長は「主幹教諭は各学校で求められる力は違うが、目指すものはみな同じ。会員25人がやりがいを持って学校経営に関わり、管理職と教職員をつなぐパイプ役として環境づくりを行いたい」と話す。
空知教頭会の小林広会長は「教頭と主幹教諭それぞれが作業を分担することによって、学校経営がよりスムーズになる」と強調する。主幹教諭会の活動を通して様々な面で働き方改革へとつなげ、組織力強化・向上の一翼を担うことに期待が集まっている。
◆赤井川 学力向上策が結実
小学校国語・算数 全領域で全国超え
赤井川村は本年度、全国学力・学習状況調査において、小学校国語・算数全ての領域で全国・全道平均を大きく上回った。間違いを生かし、見通しを持って振り返る授業づくりを取り入れた学力向上策が功を奏した格好だ。
赤井川小学校(姉帶隆文校長)では、見開き2ページを目標に好きな科目や内容で家庭学習に取り組む「自学ノート」を導入。授業の中で興味を持った内容を深掘りしたり、自信がない内容を復習したりと、児童が主体性に基づいた学習を進める。成果に対して教師がコメントを付して児童の頑張りを褒める。学習内容に工夫が見られるノートを掲示し、児童同士で共有し合う活動を進める。
姉帶校長は、学校通信などで家庭学習の目標基準や取組内容を保護者に周知。「児童の学習意欲の向上や学びの定着にも生かされている」と手応えを口にする。
前年度から異学年で班を構成し、宿題や自学を教え合う「なかよし班学び合い」を展開する。
本年度は6回にわたって上級生が下級生に自学の取り組み方や振り返り学習の仕方を教えるなど、協働的な学びを深めている。
「書く活動」充実で 表現力向上図る
今後は「表現力の向上」に努めたい考え。学力調査や日常の授業においても、分かりやすく伝える部分が課題と捉える。朝の10分間でテーマを決めて書く活動を取り入れ、各行事のあとには児童が感想を述べる機会を導入するなどして、表現力の向上に努めている。
姉帶校長は「自分から発信・発表することを大切に、自走できる児童に育ってくれれば」と期待する。「新しい取組にはまず挑戦し、子どもにとって良いと思うことを工夫しながら学校改善を図りたい」と話す。
村教委の根井朗夫教育長は、調査結果を受け「長年の取組の積み重ねが徐々に表れてきた」と喜ぶ。今後は、総合的な学習の時間や教科等横断的な学習の充実を図り、小・中学校における学びの連続性に努める。「小中が連携して生きる力を育む教育活動を推進していきたい」と話している。
( 2023-12-15付)