【解説】改訂重大事態調査指針 骨子案
(解説 2024-04-01付)

 文部科学省は3月29日に第5回いじめ対策協議会を開き、いじめの重大事態調査に関するガイドライン改訂版の骨子案を審議した。学校設置者・学校の基本的姿勢をより具体化して示すほか、重大事態として取り扱う具体例や学校の対応手順を詳細に記載することを確認。調査組織の設置に当たっては、自殺事案など特に第三者を加える必要性が高い事案を明記する方針を示した。

 現行の指針は平成29年3月に策定。調査の目的・進め方については、学校・保護者・調査委員のコンセンサスがない、再発防止策の取組が弱い、調査組織に対する保護者の信頼性がないケースがあるなど、様々な課題が指摘されており、国は重大事態調査報告書の分析と調査のガイドラインの見直しを行っている。

 新たなガイドラインは、「不登校重大事態に係る調査の指針」の要素を盛り込み一本化を図る。重大事態調査の目的を詳細に示すほか、学校における平時の備え、校長のリーダーシップの重要性を示す。

 重大事態調査の把握が適切に行われるようにするため、誤りやすい重大事態の判断を行った例や重大な被害の具体例を記載する。児童生徒・保護者からの申し立てを受けた場合の学校の対応を明確化し、事実関係が確認できない場合は調査を通じて事実確認を行い、「疑い」があるかどうか調査することを記載する予定。

 被害児童生徒・保護者への接し方についても記載し、調査と並行する必要な指導・援助、警察との連携についても記載する。

 このほか、調査で必要な資料の収集・整理などの重大事態調査の初動対応や、保護者との情報共有における留意点も示す。

 6年度の早い段階で次回会議を開催し、改訂素案を最終審議する。

(解説 2024-04-01付)

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