【解説】全国のICT活用状況
(解説 2024-04-09付)

 全国都道府県教育長協議会は、学校教育におけるICTやソフトウエアの活用に必要な財政措置に関する調査研究をまとめた。学習支援ソフトウエア導入の課題は「費用負担」が74・4%で最多。都道府県の85・1%がICT支援員を配置する必要性を感じていることが分かった。

 調査対象は47都道府県。調査基準日は5年5月1日。

 都道府県立高校・特別支援学校における無線LANの整備率をみると、普通教室が100%だった一方、職員室は7割、特別支援教室は6割、体育館は4割程度だった。

 高校における1人1台端末整備の方法は「保護者負担による購入(BYOD)」が44・7%と最多で、「公費購入での貸し出し」が38・3%など。

 デジタル教科書の導入を予定していない都道府県は16県と最も多い。他方、学習支援ソフトは導入が進み、高校の教員・生徒用に学習支援ソフトを全校導入している県は22県。期待する効果は「協働的な学びの推進」「主体的な学びの促進」「理解度等に応じた個別最適な学習」と続く。

 導入の課題は「費用負担」が最も多く、高校に関しては8割以上に。また、教員の業務負担(アカウント管理など)や通信環境も優先課題として挙がった。

 ICT支援員を配置している都道府県は全体の6割に当たる28県。40県が今後もICT支援員が必要と考え、28県が次年度以降も配置を予定している。

 全国都道府県教育長協議会は、通信環境の整備、生徒用端末、学習支援ソフトに関する十分な財政支援を国に要望するほか、教員の業務負担の軽減やICT活用指導力の向上にもつながるICT支援員の必要性に鑑み、一層の地方財政措置と人材確保の支援を求めていくとしている。

(解説 2024-04-09付)

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