【解説】高校認定試験 多くが独学
(解説 2024-04-10付)

 道内の高校卒業程度認定試験受験者の多くが参考書等を使った独学で試験に臨んでいることが、道立生涯学習センターがまとめた実証研究の結果で分かった。

 同試験は、様々な理由で高校を卒業できなかった人の学習成果を適切に評価し、高校卒業者と同等以上の学力があるかを文部科学省が認定するもの。8月と11月の年2回実施している。合格者は、大学・短大・専門学校の受験資格が与えられる。

 道教委は5年度、同試験合格を目指す若者に対する学び直しの支援体制を構築するため、学習相談や学習支援を行う事業体制の構築に向けた実証研究を実施。

 「生活困窮」「自立支援」などに関わる市町村の窓口等に行った聞き取り調査では、過去3年間、約22%の関係機関で相談実績があることや、相談後の具体的な対応として、4割の機関で既に学習支援を行っている実態が判明した。

 高卒認定試験に関する各関係機関担当者の認知度の聞き取りでは「知らなかった」「名前だけは知っている」が全体の約3割を占めており、関係機関への高卒認定試験の周知の必要性が課題として挙がった。

 受験者の学習実態では、受験者控室等に質問を書いた模造紙を設置し、該当個所にシールを貼る「壁アンケート」とインターネットアンケートを実施した。

 回答者のうち、壁アンケートで61・8%、インタネットアンケートで60・0%が「参考書等を活用して独学で学んでいる」と回答。独学で難しいと感じる教科には英語、世界史、数学などが多く挙がった。

 一方、科目別難易度では「物理基礎」「地学基礎」が多く挙がり、同センターでは「受験者が独学で“難しい”と感じるものは、試験自体の科目別の難易度や合格率と必ずしも同じではない」と分析している。

(解説 2024-04-10付)

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